北テキサス大学とナノテクの国際交流を実施

公開日 2017年03月08日

 

 ナノテクプロジェクトセンターでは26日から29日にかけて,北テキサス大学のArup Neogi教授を島根大学に招いて国際交流を行いました.Neogi教授は2006年から米国NSF(National Science Foundation)や日本学術振興会の助成で学生を島根大学に派遣されるなど学生を含めた活発な国際交流に貢献されてきました.この交流や共同研究を通して,島根大学で4名,北テキサス大学で4名の博士を輩出しています.また,この交流に参加し,島根大学で学んだ北テキサス大学の学生が超音波診断技術などを扱うベンチャー企業を米国で起業するなど国際研究交流から特筆すべき成果が得られています.

 28日にはナノテクプロジェクトセンターと島根大学重点研究「島根大学のシーズを活かした学際的新規医療技術開発拠点の確立」の共催で「ナノテクオープンセミナー」を開催しました.セミナーでは秋重幸邦理事の挨拶,ナノテクプロジェクトセンター・センター長の藤田恭久教授による島根大学と北テキサス大学の交流の紹介に引き続き,Neogi教授が講演されました.

 講演では,メタマテリアルという人工的に特性を制御した材料と島根大学発の強誘電体を用いたチューナブルな超音波レンズの開発について,更に,この技術を基に島根大学と研究交流を行った北テキサス大学の学生がEchonovus社というベンチャー企業を立ち上げた例を紹介されました.

 Neogi教授は二つ目の題目として,National Science Foundation I-Corpsという大学の技術の起業化を支援するプログラムを紹介されました.I-Corps とは主任研究員(大学教授),アントレプレナー・リード(大学院生),メンター(起業家)からなるイノベーションチームが,大学の研究成果の実用化を目指して,ビジネスモデルやプランを作成していくプログラムです.前記Echonovus社はこのプログラムから生まれた企業です.島根大学側の参加者には新鮮な話で大変勉強になりました.

引き続き,島根大学からは教育学部の塚田真也講師によるラマン分光による強誘電体の評価の研究,北テキサス大学出身のナノテクプロジェクトセンターLin Jie助教による酸化亜鉛ナノ粒子の研究が紹介され,今後の研究交流に向けて活発な議論が行われました.

 

写真1

 オープンセミナーで講演されるArup Neogi教授

 

写真2

 北テキサス大学出身のナノテクプロジェクトセンターLin Jie助教の講演

 

写真3

 教育学部における研究交流