第75回島根大学サイエンスカフェを開催しました

公開日 2017年12月20日

  1215日(金)、松江テルサにおいて第75回島根大学サイエンスカフェを開催しました。今回は、生物資源科学部の尾添嘉久特任教授が「食料生産を支える農薬の話」をテーマに講演を行いました。一般市民、企業の方など33名の参加者がありました。
  講演では、動画を交えながら、急激な人口増加に伴う食料生産を支えている農薬について、その種類や特性およびその効力について説明がありました。特に、農薬は収穫量の増加、労働の省力化に大きく寄与しており、例として、リンゴ栽培に農薬を用いなかった場合の収穫量に関するクイズでは、農薬使用に比較して約1割の収穫量であるなど、参加者から驚きの声があがりました。人体に有害であるなど、マイナスイメージが強い農薬ですが、厳しい毒性試験と環境への影響検査を経て許可された物質であり、発がん要因ワースト10ではランク外であるなど、我が国における農薬使用の現状について学びました。
  近年話題となった蜜蜂の減少に対する農薬の影響やゴルフ場における除草剤使用など、農薬が及ぼす影響を広く捉え、農薬使用の注意点や被害防止に係る規制・基準について説明がありました。また、農薬の許可基準の一つに半減期が100日以内であることが含まれていることから、土壌に残留する農薬が一定量を超えることがないように設計されている等の詳細な説明もあり、参加者は興味深く聴講しました。
  講演後の質疑応答では、近年空き家、空き地の増加による農業従事者ではない者が市販の除草剤を散布する例が散見され、人体への影響を懸念している、または家庭菜園の運営に関する質問や意見があり、使用する量と時期を守って使用することの重要性などについて説明がありました。また、外国産の農作物の農薬使用のチェック体制について質問があり、最新の検出機器、検査体制等について紹介がありました。
  参加者は、食料生産に欠かすことのできない農薬とその適正な使用について知識を深め、サイエンスカフェを終了しました。
  次回の第76回サイエンスカフェは、1月16日(火)にくにびきメッセを会場に、法文学部の宮本恭子教授が「オランダの医療・介護・福祉に学ぼう-いま、日本の医療・福祉・介護を変えていくヒントがここにある-」というテーマで講演します。

尾添特任教授の講演の様子

 尾添特任教授の講演の様子

講演に聞き入る参加者

講演に聞き入る参加者

参加者と質疑応答の様子
参加者と質疑応答の様子

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