第2期目に向けた取組について、山陰中央新報社より学長インタビューを受けました。

公開日 2018年05月01日

  平成30年4月20日(金)に服部泰直学長の第2期目に向けた取組について、山陰中央新報からインタビューを受けました。インタビューの概要について、若干の補足を加えながら述べたいと思います。尚、このインタビューの記事は4月27日付の山陰中央新報紙に掲載されました。

 学長インタビュー

 

【インタビュー概要】

○1期目の成果と2期目の目標について
  1期目については、まず、国立大学改革の大きな流れの中でいかに本学の機能強化を図っていくかが大きな課題でした。この観点から社会、地域、時代のニーズにあった組織と、それを活用した教育・研究を行うこととして、全学的な組織見直しを行いました。主な取組として、人間科学部の設置、総合理工学部、生物資源科学部の改組、理系大学院を統合して、自然科学研究科の設置を行うとともに、全学センターとして、地域包括ケア教育研究センター、こころとそだちの相談センター、エスチュアリー研究センター、数理・データサイエンス教育研究センターを立ち上げました。
  また、COC事業、COC事業+を梃子にした地域貢献及び地域貢献人材育成を積極的に推進しました。
  上記のように整備されつつある教育・研究組織を活用してその成果をいかに出していくか、そして、地方創生の観点から、卒業生の県内就職率の向上を図ることが課題と考えています。

 

○平成33年に設置する文系大学院の構想について
  平成33年に文系大学院の組織及び規模等の見直しを行うことを中期計画に掲げています。
  平成29年度に新設した人間科学部が卒業生を出すタイミングで、文系の大学院の組織を見直し、新しい研究科を設置する予定です。
 理系については、総合理工学部、生物資源科学部の学生の進学先として、総合理工学研究科と生物資源科学研究科それぞれが持っている学問領域、人的資源を再編し、2研究科体制ではできなかった幅広い学問領域を生かした教育・研究を行うため、両研究科を統合し自然科学研究科を平成30年度に設置しました。
 文系の新しい研究科についても、主に法文学部、人間科学部の学生の進学先として、学部での各学問分野を包含した形で、学部で学んだことをさらに深められるようにしなければなりません。その上で、より大きな枠組みで学際的、横断的に学べるようなスケール感のある大学院を設置したいと考えています。全体構想を含めて教育課程、定員等について今後検討していく予定です。

 

○東京一極集中の是正に向け、東京23区内の私立大などに対し、2019年度の定員増と学部新設を原則認めない設置基準が示されたことについて
 私立大学に関することであり、コメントする立場にないと考えています。ただし、この件は、地方大学の振興、地方創生の議論から出てきた話であり、少しでも県内にとどまりたいという高校生が増えるのであれば、そのような生徒に対し、進路先の一つとして島根大学を選んでもらえるよう、魅力ある大学であるための努力をしていく必要があります。また、本学が実施している魅力ある教育について、それをいかに高校生に伝えていくのかも重要と思います。高校生の視点に立った大学教育の広報についても意識していく必要があると考えています。 
 
○運営費交付金が減少している中で、教育・研究の質をどのように維持していくか、またこれからの島根大学の独自色や強みについて
 厳しい運営の中ではあるが、教育の質の向上は最重要です。そのため、予算編成の方針では、教育経費は削減しないよう配慮しています。一方で、運営交付金からの配分としては研究経費は削減せざるを得ない状況であり、研究経費については、科研費等の外部資金を獲得して補っていきたいと思います。
 島根大学は中規模の総合大学であり、大規模大学に比べ大学全体の教育カラーは出しやすいと考えています。例えば、地域志向教育の全学必修化や、今年度から実施している数理・データサイエンスの知識を文系、理系に関わらず身につけることができる取組など社会のニーズに対応した特色ある教育を全学展開していきたいと考えています。
 本学の特色ある研究としては、例えばエスチュアリー研究センターを中心とした環境系の研究等について強化を図っています。外部研究資金の獲得等、成果は飛躍的に伸びてきています。今後はさらに発展させ世界的な研究拠点としていきたいと考えています。
また、古代出雲文化に関連する歴史、考古学的分野、地域包括ケア・コホート研究、自然災害軽減、産学連携を通じた鉄鋼・材料系分野等、島根大学の特徴と明確化できる研究分野の創成を図りたいと考えています。

 

 

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