島根大学特別講座 in 広島「出雲と吉備の古代製鉄」(島根大学古代出雲文化フォーラムVIIプレ企画)を開催しました。

公開日 2018年12月11日

 12月8日(土)、広島市まちづくり市民交流プラザにおいて第1回島根大学特別講座 in 広島(島根大学古代出雲文化フォーラムVIIプレ企画)を開催しました。

 第1回の講師は、島根大学古代出雲文化フォーラムVIIでもご講演予定の角田徳幸氏(島根県教育委員会・島根大学嘱託講師)に務めていただき、「出雲と吉備の古代製鉄」というテーマでお話いただきました。

 一般に日本列島では、6世紀頃には鉄鉱石や砂鉄を溶かして鉄を生産する製鉄が行われていたと考えられています。この頃の製鉄遺跡として、吉備では岡山県総社市千引カナクロ谷遺跡、広島県三次市白ヶ迫遺跡、出雲・石見では島根県邑南町今佐屋山遺跡島根県雲南市羽森第3遺跡などが見つかっています。さらに奈良時代以降になると、空気を送って炉内を高温にするための送風孔を備えた円筒形や箱形の製鉄炉が発達していくようです。

 出雲と吉備は、『出雲国風土記』や木簡などの史料にも記述されるほど、古代の鉄生産が盛んな地域でした。その後、中世になると、製鉄の中心地域は出雲や石見に移っていきます。出雲・石見では、より効率的に鉄生産を行うために、製鉄炉を大型化・複雑化させていき、江戸時代には全国に鉄を出荷するほどの「たたら吹製鉄」と呼ばれる鉄生産が発達していくのです。

会場の様子

講演の様子

 

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