第86・87回島根大学サイエンスカフェを開催しました

公開日 2019年08月19日

 8月1日(木)2日(金)に、キャンパスを受験生や保護者などに開放して本学の教育・研究に触れていただくイベントであるオープンキャンパスにおいて、第86回、第87回の島根大学サイエンスカフェを開催しました。

 8/1は生物資源科学部の研究員である西田郁久氏を講師に迎え、「身近な微生物「酵母」とコエンザイムQのお話」をテーマに講演がありました。コエンザイムQ(CoQ)の生合成が出来ないマウスや植物は発生初期で致死、あるいは人間においてもCoQの部分的な欠損により、リー症候群と呼ばれる脳の形成不全等が生じるなど、生物の生存に重要な役目を果たしているCoQについての説明がありました。また、サプリメントとしての人気も高いCoQ10の効率的な増産に分裂酵母が有効であり、データを示しながら、その研究に関する説明がありました。講演の冒頭で、自然界に存在する酵母は様々な種類があり、一部の種類はパンやお酒の材料として活用されているとの説明があり、また分裂酵母といった別の種類の酵母などがCoQ10の高生産に活用されていることへの驚きの声が参加者から聞かれました。
 また、西田研究員が作成した、寒天培地に工夫して酵母で文字を形成したシャーレが展示され、参加者は酵母の文字に見入りながらCoQ10の高生産など、様々な能力を持つ生物の不思議に思いを馳せました。講演終了後は、CoQ10サプリを愛用する参加者から、コエンザイムQに関する質問が多数あり、講師から丁寧な回答がありました。オープンキャンパスに来場した保護者を中心に20名の参加がありました。

 8/2は生物資源科学部の尾崎 浩一 教授を講師に迎え、「イカやタコは何を見ているの??-頭足類の視覚の秘密-」をテーマに講演がありました。講演の冒頭で、クラゲやクモ、蝶など様々な形態の眼が紹介された後、イカやタコにおいて眼が果たす特に重要なはたらきとして、光の方向を見分ける機能(走行性)、採餌に必要な距離を測る機能、擬態やお互いのコミュニケーションに必要な色を見分ける機能についての説明があり、次いで光を感じるのに不可欠な「光を吸収する物質(視物質)」について説明がありました。イカの走行性を利用した漁灯を用いるイカ漁など、広く知られて活用されている性質であっても、学術的には未解明のことも多く、生物の不思議と研究の奥深さを感じながら、参加者一同は講演に聞き入っていました。講演後に熱心な質問があり、講師から丁寧な説明がありました。26名の参加がありました。

 次回のサイエンスカフェは9月に大田市での開催を予定しています。その他、年間スケジュールは本学ウェブサイトに掲載しておりますのでご覧ください。
 令和元年度島根大学サイエンスカフェ開催のご案内
 引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。

       講演する西田研究員
       講演する西田研究員

       会場の様子
       8月1日会場の様子
       講演する尾崎教授
       講演する尾崎教授
       8月2日会場の様子
       8月2日会場の様子

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研究推進課