自然科学研究科農生命科学専攻の菊樂香奈さんが、日本農芸化学会 2019年度西日本・中四国支部合同大会で優秀発表賞を受賞しました

公開日 2019年11月15日

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 自然科学研究科農生命科学専攻の菊樂香奈さん(修士1年)が、2019年11月10日に沖縄県で開催された「日本農芸化学会2019年度西日本・中四国支部合同大会」において口頭発表し、優秀発表賞を受賞しました。

 演題名:酸化ストレス誘導性細胞死のレドックス制御
 発表者:菊樂香奈、小川貴央、石川孝博、Frank Van Breusegem、丸田隆典

 本研究では、植物における酸化ストレス誘導性細胞死の調節機構について調べました。活性酸素種(ROS)は強い酸化力を持つ酸素分子種であり、その蓄積は酸化ストレスを引き起こし、究極的には細胞死を誘導します。ROS消去酵素であるアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)は酸化ストレスを防ぐために重要なはたらきを担っています。しかし今回、極度の酸化ストレス下ではAPXのはたらきがビタミンCやグルタチオンなどの抗酸化剤の過剰酸化を促し、かえって細胞死が促進されるという不思議な現象を見つけました。つまり、普段は防御のためにはたらいている酵素が、場合によっては毒になることがわかりました。今後のさらなる研究によって、ROS誘導性細胞死のメカニズムを解明することにより、環境耐性植物の作出に貢献できると期待されます。