教育学研究科(H28~)カリキュラムポリシー

教育実践開発専攻(教職大学院/専門職学位課程)


教職大学院では,理論と実践の往還を通して,地域の教育課題を解決するのに必要な探究的省察力をもつ「学び続ける教師」を育成するべく,次のように体系化された教育課程を編成しています。

 

  1. 「学び続ける教師」に必要な資質・能力として,学校創造力,授業デザイン力,子ども支援力の3つを定め,これらをより高いレベルで身につけたスクールリーダーの養成を目標として教育課程編成を行いました。また3つの力を内容面から相互に関連づけ,特に山陰における教師の生涯発達を支える基盤となるよう「山陰の教育課題」「エビデンスの収集・活用」「クリティカル・シンキング」「個と多様性」「ICT活用」の5つの共通テーマ軸を設定しています。
  2. 共通科目及び選択科目においては,学校教育研究の理論と方法を修得します。総合的力量を形成するため,共通科目20単位の必修に加え,「学校創造」「授業デザイン」「子ども支援」に相当する選択科目群においても,それぞれの科目群から主要な授業に関わる1科目2単位をさらに必修化しました。また修了に必要な選択科目10単位に関しては,3つの選択科目群のいずれかに特化し単位を修得することで,求められている教育課題の解決や自らの課題意識等に特化した力量を身につけることが可能な教育課程編成を行いました。
    授業方法としては事例研究やワークショップ,附属学校や拠点校での授業参観などを多く取り入れ,具体的な教育課題に即した双方向的な学び,主体的かつ体験的な学びとなるよう留意しています。また研究者教員と実務家教員の協働,現職教員学生と学部新卒学生との協働により,多様な視点にふれながら,理論と実践を往還できる教育課程となるよう留意しています。
  3. 課題研究では,学んだ理論を地域教育課題の探求と解決に向けてどのように活かせばよいかについて,自ら設定したテーマに即して先行研究の収集・分析を行ったり,必要な予備調査等を行ったりします。またこれと連動して行われる学校教育実践研究(実習科目)では,実際の学校教育現場をフィールドとして,仮説に基づく授業や教育活動を計画的に試行します。得られた結果については,課題研究において多角的に討議・省察を行い,学びの成果の集大成として報告書を作成します。さらに地域社会の代表である山陰教師教育コンソーシアムにおいて,この報告書に基づく成果を発表し,そこでの意見交換を通じて自らの教育観の深化を図ることとしました。

 

臨床心理専攻(修士課程)


臨床心理専攻では,学校教育制度・教師の役割のみならず,学校教育のあり方や児童生徒の問題の地域特性にも配慮し,教師及び地域の関係機関の専門家と協働して活躍できる,高度な専門性と実践力を身につけた臨床心理の専門家を養成するべく,次のような特色を持ち体系化された教育課程を編成しています。


  • 養成する人材像を可能にするため,教育課程を「臨床心理学の理論と実践科目群」「学校臨床の理論と実践科目群」「臨床心理地域援助の理論と実践科目群」の3つの科目群により編成しました。
  • 全ての科目群において,各科目を基礎から応用へ段階的に配当しています。さらに,理論と実践の往還の中で学びを深めるために,全ての科目群で演習と実習を設けています。「学校臨床の理論と実践科目群」においては「学校臨床心理実習Ⅰ」「学校臨床心理実習Ⅱ」を設け,学校現場における臨床実習を充実化させました。また,「スクール・カウンセリング事例研究」を必修科目として,学校臨床に重点化した教育を行います。「臨床心理地域援助の理論と実践科目群」においては,「臨床心理地域援助論」を必修の演習として設け,山陰地域の臨床心理地域援助の実践について重点を置いた教育を行います。