教育学部の理念・目的,入学者受入方針,教育内容,卒業後の進路

理念・目的


 本学部が目的とするのは,今日の学校教育をめぐる複雑で多様な状況に対して適切かつ柔軟に対応できる高度で幅広い教育実践力を備え,世界的視野に立って地域社会に貢献できる教員の養成です。

 そのため,「21世紀の教育改革と学校教育が求める教育的課題を積極的に担う学部」,「変革の時代に対応した新たな教師教育を実現する学部」を理念に掲げ,以下の4点を具体的な目標として設定しています。

  1. 自ら学ぶ意欲と考える力を持った教師の育成
  2. 教えることのプロとして身につけるべき実践への意欲と,確かな技術力を有する教師の育成
  3. 子どもに対する深い愛情と,理解力に富む教師の育成
  4. 自立し,成熟した社会人としての教師の育成

 このような,教職への限りない情熱と,さまざまな教育的課題に対応できる優れた教育実践力の総体を本学部では「教師力」と呼び,その育成を教師教育プログラムの柱としています。

 なお,本学部は,平成16年度から,全国的な教員養成学部の再編・統合の先駆けとして,鳥取大学との協議に基づき,学校教員養成に特化した専門学部に生まれ変わりました。したがって,島根大学教育学部は,山陰地域の大学の中で学校教員を育てることを目的とする唯一の学部となっています。

 

入学者受入方針

 本学部の特色ある教育課程のもとで教師になることを希望する,次のような学生を受け入れます。

  1. 高等学校までの基礎学力を備えており,向上心をもって主体的に学ぼうとする人
  2. 豊かな人間性,子どもに対する愛情,教育的情熱を有する人
  3. 教師に要求される幅広い教養と深い専門的知識・技能を身につけ,社会の発展に貢献しようとする人

 以上の受入方針に基づいて一般入試・AO入試・推薦入試を行い,教師をめざす多様な資質・能力を有する学生を受け入れます。

 AO入試では,特に「現代の教育課題への深い関心,教師に必要とされる論理的思考力や高いコミュニケーション能力を有する学生」を求めています。推薦入試Ⅰでは,特に「当該専門分野を学ぼうとする強い興味・関心,そのために必要な基礎的能力・経験等を有する学生」を求めています。 

 

入学後の教育

本学部の特色について

 本学部では,21世紀の教育を担う学校教師を育成するために,全国に先駆けて独自のカリキュラムを開発するとともに,それを支える教育組織を構築しました。

  1. 「主専攻・副専攻」制の導入や「教科内容構成研究」科目を設置するなど,教科指導能力の向上を図る。
  2. 1000時間の「体験学修プログラム(基礎体験,学校教育体験,臨床・カウンセリング体験)」を必修化し,多様な子ども体験に裏打ちされた教育実践力を高める。
  3. 「面接道場」「教師力パワーアップセミナー」「学生フォーラム」「プロファイルシート」などの教育プログラムや評価システムを導入して教師力の向上を図る。
  4. 多様な「体験学修プログラム」を企画・運営する「附属教育支援センター」を整備する。
  5. 優れた現職学校教員を学部教員として招聘し,教育実践力向上をサポートする。
      

 

本学部の専攻と教員免許状の取得について

 本学部には,次の10の主専攻があります。所属する主専攻での学修によって,最低でも1種類の一種免許状の取得が可能です。さらに,副専攻での学修を基に教育職員免許法に定められた単位を修得することで,幼稚園,小学校,中学校・高等学校(各教科),特別支援学校教諭などの免許状を取得することもできます。(ただし,免許状によっては卒業に必要な単位の修得に加え,追加の単位修得を必要とする場合がありますので,履修の際に注意が必要です。)
 なお,平成24年度より新たな副専攻として「臨床心理特別副専攻」が開設されました。(※印参照。これに伴い「心理・臨床(主専攻)」は廃止されました。)


1.初等教育開発専攻
 初等教育開発専攻では,公教育に携わる者として熱意ある小学校教員を養成します。本専攻のカリキュラムでは,教育学および教科教育学の知見を体系的に学び,各教科や特別活動等における教育内容についての知識や指導法を習得します。また,実際の授業を学生が協力して計画・実践し,教員と理論的に検証するなど実践的な内容が豊富に準備されているため,教育現場における即戦力としての能力を高めることができます。本専攻では小学校教諭一種免許状が取得できます。

 

2.特別支援教育専攻
 心身の障がい等が原因で学習や生活上の困難を持ち,特別な支援を必要とする子どもの心理・病理や彼らに適する教育原理・方法について学びます。小学校教諭一種免許状取得のための学習をし,その上で特別支援学校教諭一種免許状(知的障がい者に関する教育の領域,肢体不自由者に関する教育の領域,病弱者に関する教育の領域)を取得します。卒業後は,主に特別支援学校や小・中学校の特別支援学級で活躍することが期待されます。

 

3.言語教育専攻
 国語を主専攻とする国語教育コースと,英語を主専攻とする英語教育コースとがあります。学生は,いずれか一つのコースに所属し,それぞれのコースで,国語あるいは英語の教員として求められる専門的知識及び教育技術を習得します。また,両コースとも,共通科目「言語コミュニケーション論」において,ことばによるコミュニケーションについてのさまざまな問題を考えます。両コースでは,それぞれの教科の中学校・高等学校の一種免許状が取得できます。また,副専攻の書道コースでは,高等学校教諭一種免許状(書道)が取得できます。

 

4.共生社会教育専攻
 グローバルな視野と地域に根ざした実践力を兼ね備えた教員を養成します。そのために,中学校社会科を中心とした歴史,地理,公民分野に関する基礎的な学力の習得に加えて,それぞれの分野の教科内容の研究能力と社会科教育の指導力を育成します。さらに,多文化共生,人権,自然との共生,地域社会と生活などの現代的な課題をも視野におさめ,実地体験や現地調査を行うことによって,社会科教育や総合学習の教材開発能力など実践的技能を鍛えます。本専攻では中学校教諭一種免許状(社会)と高等学校教諭一種免許状(地理歴史及び公民)が取得できます。

 

5.数理基礎教育専攻
 本専攻は数学の教師を養成します。学習する科目は数学教育,代数,幾何,解析,確率・統計,コンピュータです。講義やゼミ,実習の形式で学習します。これらを通して,数学の特徴である論理性と数式の操作を身につけること,及び数学について,より深い理解と問題や課題,教材をみつける目をもち,的確な説明や指導のできる教員の育成を目指します。本専攻では中学校教諭一種免許状(数学)と高等学校教諭一種免許状(数学)が取得できます。

 

6.自然環境教育専攻
 本専攻では,中学校を中心に小学校・高等学校の理科教師として必要となる自然科学に関する基礎的知識を修得します。さらに,自然豊かな山陰地域というフィールドを最大限に活用し,子ども達の知的好奇心を刺激し,自然を探究する楽しさを実感させることのできる指導法や教材開発について学習していきます。本専攻では中学校教諭一種免許状(理科)と高等学校教諭一種免許状(理科)が取得できます。

 

7.人間生活環境教育専攻
 本専攻では,幼稚園,小学校,中学校,高等学校の教員の養成基盤を「くらし」,「環境」と「ものづくり」に置き,人間生活の基盤である生活環境や,環境を通した教育の在り方を深く学びます。それらを通じて,ゆとりとうるおいのある社会を創造するための理論と技術について学びます。子どもたちの創造力と生きる力を引出し,はぐくむための「人間力」を養い,深い専門性と実践力を持った人材を養成します。幼稚園教諭一種免許状,中学校教諭一種免許状(家庭)と高等学校教諭一種免許状(家庭)が取得可能です。また,副専攻の技術教育コースでは中学校教諭一種免許状(技術)と高等学校教諭一種免許状(工業)も取得できます。

 

8.健康・スポーツ教育専攻
 現代の教育課題に対応しうる保健体育の教員養成を目的としています。そのために,保健体育に関する理論的講義,保健体育科教育法,実技実習,指導実習などの専門カリキュラム,体験プログラム及び教育実習などを通して子どもと向き合い,理解し,保健体育に関する適切な支援を行える実践的かつ専門的力量を形成していきます。本専攻では中学校教諭一種免許状(保健体育)と高等学校教諭一種免許状(保健体育)が取得できます。

 

9.音楽教育専攻
 音楽の各分野ごとに卒業研究へ向けて個人指導を受け,高い専門性を身につけると共に,音楽教師として不可欠な幅広い音楽技量と知識を習得します。音楽専門教科の開講科目については,ソルフェージュ,音楽理論,音楽史等の基礎科目に加え,合唱・合奏及び各分野の卒業研究に繋がる深化学習を行うシステムをとっていて,非常に充実した音楽教員養成のためのカリキュラムとなっています。本専攻では中学校教諭一種免許状(音楽)と高等学校教諭一種免許状(音楽)が取得できます。

 

10.美術教育専攻
 美術全般にわたる高い専門性と,教師としての専門的力量をあわせもつ,中学校,高等学校の美術教師を養成します。そのため,基礎造形能力の修得から美術の専門性を深化させる授業,美術教育理論及び実践的な教育体験的授業等の幅広いカリキュラムを用意しています。本専攻では中学校教諭一種免許状(美術)と高等学校教諭一種免許状(美術)が取得できます。

 

※臨床心理特別副専攻(平成24年度新設)
 今日の教育現場において,子どもたちが示す多様な問題を的確に理解し対処する上で,臨床心理学の知見が必要とされています。1~10のいずれかの主専攻に所属し,教員になるための基盤をしっかりと築きながら,この副専攻を選択することによって,臨床心理学のさまざまな理論や技法を学んだり,さらに臨床心理学系大学院への進学を目指したりすることができます。

 

・専攻決定の時期と方法について

 Ⅰ類に入学した者(一般入試・AO入試)の主専攻・コースの決定(初等教育開発,特別支援教育,言語教育(国語教育,英語教育),共生社会教育,数理基礎教育,自然環境教育,人間生活環境教育)は,入学後,ガイダンスや進路指導を実施した上で,本人の志望に基づき,1年後期開始前(9月頃)に決定します。

 1専攻・コースの学生数は,概ね15名程度(初等教育開発専攻は60名程度)です。なお一般入試入学者において,これを大幅に上回る希望があった場合にのみ,面接等によって選考を行う場合があります。

 

・入学後の転専攻について
 推薦入試Ⅰで入学した者は,入学時,主専攻が決定しており,変更することはできません。AO入試で入学した者は,受験コース(文系・理系)により,転専攻可能な主専攻が異なります。また,Ⅱ類に入学した者は,入学時の主専攻を変更することはできません。

 

卒業後の進路

 幼稚園,小・中・高等学校及び特別支援学校の教員,大学院への進学などを目指します。