医学部長メッセージ

医学部長 山口修平 島根大学医学部のページへおいでいただきありがとうございます。

 島根大学医学部がある出雲市は、出雲大社や日御碕をはじめとして豊かな歴史、文化、自然が共存する町です。このすばらしい環境で、現在934名の医学生(681名)、看護学生(253名)が勉学に励んでいます。古事記には、八十神の企てにより火傷を負った大国主神に対して、蚶貝比売命(キサガイヒメノミコト)と蛤貝比売命(ウムギヒメノミコト)がその治療と看護に尽くしたとあり、両女神を境内の天前社に奉る出雲大社は我が国最古の医学・看護の神社でもあります。神有月には全国の神々が集うこの出雲で、師匠あるいは友人との出会いという「縁」を大切にしながら、医学・看護の道を志していただきたいと思います。

 さて本学医学部は、1976年に島根医科大学としてスタートしました。そして1999年の看護学科の開学、2004年の旧島根大学との統合を経て、島根大学医学部として現在に至っております。今年(2015年)は医学部設立の足かけ40年目にあたります。この間に医師3,244名、看護職881名の卒業生を輩出し、彼らは地元島根県あるいは全国各地の医療機関において医療人、研究者、教育者として大いに活躍しています。本学部でもすでに12名の卒業生が教授に就任し、教鞭をとっています。

 

 医学科では、第一に医師としての使命感、高い倫理観、豊かな人間性の涵養に力を入れています。さらにその上に医学知識と技術の習得を目指します。そのために学生教育においては、早期病院実習、クリニカル・クラークシップ、地域医療実習、さらに海外研修などを含めて堅固な教育体制を構築しています。また地域医療を支える人材育成のために、全国に先駆けて2006年度から地域枠推薦入試を導入しました。卒前教育での支援に加え、卒業後も安心して島根県内で充実した研修が可能な研修支援システムの構築を行っています。さらに地域包括ケアを志向した学際的な研究組織も立ち上げつつあり、総合医の育成に加え地域医療課題を解決する研究力を備えた人材育成を目指しています。また外国語教育にも力をいれており、諸外国からの留学生の受け入れや海外実習の推進などを通して、将来グローバルな舞台で活躍できる人材の育成を目指しています。

 

 看護学科では開学以来15年が経過し、多くの卒業生が病院・診療所の看護師、保健所・地域包括支援センター・介護老人保健施設・社会福祉協議会の職員となり、各分野で中堅リーダーとして活躍をしています。また本県で最初に設置された修士大学院を経て、教育研究分野でもキャリアを積み上げつつある卒業生もいます。来年度(2016年)からは博士後期課程の設置が決定しており、さらに高度な看護知識を有する専門職としての研究者、教育者の育成を行っていきます。

 

 少子高齢化、気候温暖化、グローバル競争の激化など我々を取り巻く環境や社会は大きく変化しています。そして医療・医学の分野でも、少子高齢化による「超高齢多死社会」を迎えて、地域医療を含めた現在の医療体制の持続可能性が問われています。このような背景のもと我々には、目前の課題を解決しながら将来のビジョンを構築し、持続可能社会な実現に貢献することが要求されています。そして大学として、これまで克服できていない難治性疾患の原因究明、新たな治療方法の開発、さらに高度先進医療技術などを世界に発信し、人類の福祉に貢献する大きな責務もあります。本医学部では「国際的視野を有し、地域の医療問題を解決できる高度な能力を備えた医療人の育成と研究の推進」というミッションを掲げ、グローバルな視点で自らの頭で考え、ローカルに行動・実践できるグローカルな人材の育成を目指しています。意欲にあふれた学生諸君が、本学の医の扉をたたいていただくことを切望しています。