広報しまだい59号
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高度な専門性をもって地域社会に貢献し、自らも成長したい。 日本で研究指導を受けたい教授を探していたナディアさんが島根大学を選んだ理由。それは「学びの目標」はもとより、自身が求める「関心のある研究」「キャリア展望」「個人としての成長」にマッチしていると感じたから。また、賑やかで都会的な場所より、穏やかな自然のある小さな都市を好んでいたこともあり「島根大学は最適でした」と話します。「研究水準だけでなく、研究設備やアットホームな雰囲気、学生と教員間の垣根のない交流など、優れた研究・学習環境が魅力です」と、実際に留学してからもその良さを存分に感じています。ナディアさんは、高血圧症やストレスの緩和に効果のあるギャバ (GABA) の合成に関わるイネの遺伝子を、ゲノム編集によって改変し、コメだけでなく、茎・葉・根にも増量させることに成功しました。GABAを増量したイネ苗は塩害、洪水、干ばつなどの環境ストレスに耐性を示すことを世界で初めて見出しました。今後は「専門性をさらに高めて地域社会に大きく貢献し、人としても成長し続けたい」と未来を見据えています。SHIMADAI09「キャンパスで雪が降るのを眺めるのは、私にとって特別なこと」。雪が降って感じた穏やかな気持ちも、楽しく癒やしとなったひとときも、いとおしく感じている。自然科学研究科(博士後期)創成理工学専攻 自然環境システム科学コースアクター ナディアさんバングラデシュ人民共和国のシェレバングラ農科大学で農業を学ぶ。植物、食糧生産、植物科学の研究に強い関心を持ち、卒業後はバングラデシュ稲研究所で勤務。稲の研究への関心を高め、究めるため島根大学へ留学。授業終わりの秋の日に、友人たちと楽しんだ紅葉。この鮮やかな景色は、ここで感じたことや思い出とともに記憶に深く刻まれている。バングラデシュ人民共和国(2019.10~2024.9 島根大学に留学)出身国From PEOPLE'S REPUBLIC OF BANGLADESHBEYOND
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