広報しまだい59号
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Pant Physoogy 3 lil 生物資源科学部生命科学科食生命科学コース准教授西村浩二定説を覆す新発見につながった、     見えないものを「見る」技術 「高校時代に「光」というものがとても不思議なものだと思ったのが、研究者の道へと進むきっかけです。次第に光を最大限に利用する植物にも興味を持つようになり、植物を材料とした研究を行うようになりました」。そう話すのは、植物を題材にさまざまな生命現象を解明してきた西村浩二准教授。顕微鏡を使って生命体の細胞を可視化する「蛍光バイオイメージング」の技術を活用した幅広い研究に取り組んでいます。 今年5月に国際学術誌「掲載された、西村准教授と東京大学、岐阜大学、京都大学、九州工業大学、基礎生物研究所の研究グループが発表した研究も、そのひとつです。その内容を要約すると、植物は光を感知するタンパク質受容体をいくつか持っており、中でも植物の生育に重要な役割を持つ光受容体・フィトクロムにおいては、フィトクロモビリンという色素が直接的に光を感知。このフィトクロモビリン内の酵素は葉緑体の中にしかないというのがこれまでの定説であったが、今回の研究によって細胞質にも存在し、実際に機能することが明らかになった、というもの。この研究において、細胞内の酵素の動きを可視化したのが西村准教授。蛍光バイオイメージングの技術が、大学で使用されている教科書にも記載されていた定説を覆す新発見につながりました。 西村准教授が蛍光バイオイメージングの技術」にFILESHIMADAI07

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