総合理工学部小野興太郎教授が日本金属学会学術貢献賞を受賞

総合理工学部物質科学科 小野興太郎教授は、平成22年9月25日、北海道大学で開催された社団法人日本金属学会秋季大会表彰式において、日本金属学会学術貢献賞を受賞し、翌26日受賞記念講演を行いました。

この賞は、各地域において金属学または金属工業に関する学術または技術の進歩発展に顕著な功労のあった者に贈られるものです。
小野教授は、イオン加速器とCCDカメラを附置した独自の電子顕微鏡システムを開発し、これらの先端技術を駆使して、核融合炉環境において想定される重水素やヘリウムプラズによる炉材料の照射損傷に関する研究、特に損傷の動的発達挙動の研究に優れた成果を挙げました。
特に、金属材料中のヘリウムバブルのブラウン運動に基づく拡散挙動を初めてリアルタイムで可視化し定量的・統計的に明らかにした研究は高く評価されています。
さらに、アメリカのアルゴンヌ国立研究所との共同研究においても、高エネルギー自己イオンによるカスケード損傷の電子顕微鏡その場観察に成功し、独創的な成果を挙げられました。これらの成果は、電子顕微鏡その場観察法の新たな可能性を拓くとともに、将来の核融合炉の実現に向けた鍵と見られている炉材料に関する学術研究の発展に貢献したとして、その顕著な功労が認められ今回の受賞となったものです。

受賞を学長と理事に報告する小野教授