お宝研究vol.11
21/49

16研究テーマ名辻 剛志(総合理工学研究科・准教授)Takeshi Tsuji (Associate Professor, Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering)研究者紹介概   要特   色研究成果今後の展望社会実装への展望 ナノ(10-9)秒やフェムト(10-15)秒といった短いパルス幅のレーザー光を用いると,物体を局所的に融解,蒸発させることが出来ます。本研究室では,このようなレーザー光の特徴を生かして,液体中の物体に対してレーザー照射を行い,融解物,蒸発物からコロイド状ナノ粒子(ナノ(10-9)メートルサイズの粒子)を作製したり(図1),粒子の大きさを変えたりする,液中レーザープロセスの構築と機構解明に取り組んでいます。 Irradiation of ultrashort (nanosecond and femtosecond) pulsed-laser on a material induces melting and evaporation of a small localized part of the material. Such a feature of laser enables us to prepare nanoparticles and modify their size by using laser irradiation on materials suspended in liquids. In our laboratory, research and development of the mechanism of laser processes in liquids are carried out. 最近は,ナノ粒子に低強度のレーザー光を照射して溶融させ,導電材料や光散乱材料として有用な,サブミクロン(10-7 m)サイズの球状粒子を作製することに取り組んでいます(図1)。このような,なめらかな表面を持つサブミクロン粒子を,このように簡単に作製する方法は,今のところ他にはありません。本研究室では特に,表面に凝集を防ぐための保護剤が吸着したナノ粒子を用いると,サブミクロン粒子の形成に必要なナノ粒子の凝集が,レーザー照射によって動的に誘起されることを明らかにしており,この過程を保護剤の種類やレーザー照射の条件によって制御し,生成効率や粒径制御性を向上させることに取り組んでいます。今後は,絶対的な生成量を増やすための工夫と共に,ナノ粒子の凝集や物質の吸着のメカニズムのような,コロイド科学全般に対して有用な情報を得ることに取り組む予定です。 サブミクロン粒子の高い分散性を生かした,導電材料としての応用や,高い光散乱効率を生かした細胞マーカーとしての応用が期待できます。Preparation of nano-micro-sized materials using laser processes in liquids図1: 液中の金板へのレーザー照射によるコロイド状金ナノ粒子の作製と金ナノ粒子への   レーザー照射による球状金サブミクロン粒子の作製液中レーザープロセスを用いたナノ■マイクロ材料の作製Nanotechnology Project Centerナノテクプロジェクトセンター

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る