お宝研究vol.11
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益田市 松江市2 大田市 隠岐の島町 松江市1 出雲市 大田市 益田市 18菌接種試験島根県内の土着アズキ根粒菌の地理的分布ポット栽培による根粒菌接種試験島根県内の土研究テーマ名城 惣吉(生物資源科学部・助教)板村 裕之(生物資源科学部・教授)Sokichi Shiro (Assistant Professor, Faculty of Life and Environmental Science)Hiroyuki Itamura (Professor, Faculty of Life and Environmental Science)研究代表者:センター長:Leader : Director : 研究者紹介概   要特   色研究成果今後の展望社会実装への展望Study on improving productivity of adzuki bean by utilizing symbiotic nitrogen fi xation 島根県松江市や出雲市ではアズキが主役となる食文化や経済活動が注目されています。しかしながら,本地域のアズキ生産規模は小さく,また,ブランド化を推し進めるだけの品質や収量,品種も保証されていないのが現状です。そこで,島根県におけるアズキブランド構築を目指し,アズキの生産性向上を目的とした研究の一環として,アズキとアズキ根粒菌との共生窒素固定を活用したアズキ栽培技術について検討しています。 Recently, adzuki bean (Vigna angularis), playing a major role in food culture and economic activities in Matsue and Izumo Cities, has attracted attention. However, the scale of production of adzuki bean is small, and neither the quality, yield, nor variety is good enough to attain the assured brand name. In this study, we try to enhance the productivity of adzuki bean in Shimane prefecture by improving its cultivation technique utilizing symbiotic nitrogen fi xation of adzuki bean and adzuki bean-nodulating rhizobia. マメ科植物であるアズキは根に根粒という器官を形成し,根粒菌と共生窒素固定を行っています。根粒菌から効率よく窒素固定産物を得ることが出来れば,生産性の向上につながると考えられています。 この窒素固定を効率よく行うことのできる土着アズキ根粒菌を探索するために,島根県内の土壌に生息する土着アズキ根粒菌の遺伝子多様性を調査しました。そして,分離した種類の異なる土着アズキ根粒菌をアズキに接種し,アズキの生育にどの様な影響を及ぼすのかを調査しました。調査の結果,島根県東部から西部地域にかけて多様な土着アズキ根粒菌が存在することが明らかとなりました。さらに,分離した土着アズキ根粒菌の中にはアズキの生育を促進する効果を示す菌株の存在が明らかとなりました。 今後はアズキの生育促進効果を示したアズキ根粒菌を用いて圃場での栽培試験を行い,その菌株が有用な能力を発揮してアズキの生産性向上に貢献できる栽培条件等を検討していきます。さらに,島根県内のアズキ生産地域の環境に応じた栽培技術の開発につながるよう研究を展開していきたいと考えています。 アズキの栽培技術開発や有用アズキ根粒菌の微生物資材としての利用技術開発への応用が期待できます。共生窒素固定を活用したアズキの生産性向上に関する研究農林水産業の六次産業化プロジェクトセンターProject Center for the 6th Industrialization of Agriculture, Forestry, and Fisheries

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