島根大学お宝研究Vol.13
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特別研究部門SharingeconomythatsharesassetsownedbyindividualsviaInternetisadvancingasanewbusiness.WefirstclarifythedefinitionofSharingEconomybasedonpreviousresearches.AndwealsoaimatconsideringthepossibilityofsustainabledevelopmentofSharingEconomyinruralareas.本研究では,①まず先行研究に基づきながらシェアリングエコノミーの定義を明確にし,②シェアリングエコノミーの推進を政策的に進めている主な自治体・事業者の事例調査を通じて,③地方でのシェアリングエコノミーの持続的な展開の可能性とその課題について考察を行いました。その結果,地方のシェア事業は自治体がサービスを補助金などでスタートさせているが,①既存のインターネット上の分散型プラットフォームの活用によって母数の部分をカヴァーしようとしても,中小規模の自治体ではその地域だけで規模の経済性を成立させることは難しい,②地域でNPO法人などの中間事業者を立ち上げたとしても,その運用・維持のためのコストを地域の単独の事業だけで回収・継続させることは困難である,③観光振興や雇用創出などの手っ取り早い手段としてシェアリングエコノミーのサービスの導入が進んでいるが,地方の中小規模の自治体にとってこの事業だけに特化してシェア事業を展開することは難しく,近隣自治体との広域的な取組や,他のシェア事業とも組み合わせた事業の多角化が求められる,といったことが解明されました。※本プロジェクトセンターは2019年3月末をもって設置期間満了により,終了しました。◉センター長      野田 哲夫TetsuoNoda(学術研究院人文社会科学系・法文学部担当・教授) Ruby・OSS Project Center※This center has conclued in March, 2019, the expiration date.段   潤JunDan(広東工業大学・管理学院・助手〈前戦略的研究推進センター・特任助教〉)19研究者紹介概 要人口減が進む地方において,既存の資源を活用して地域課題を解決するツールの一つとして,個人等が保有する資産等をインターネットを介して共有するシェアリングエコノミーの活用が始まっています。本研究では先行研究に基づきながらシェアリングエコノミーの定義を明確にし,シェアリングエコノミーの推進を政策的に進めている主な自治体・事業者の事例調査を通じて,地方でのシェアリングエコノミーの持続的な展開の可能性とその課題について考察を行いました。特色・研究成果・今後の展望本プロジェクトセンターでは,オープンソースやオープンデータを生産=供給における共有システムとして捉え,経済や地域社会に与える影響を研究しています。個人等が保有する共有可能な資産等をインターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とするシェアリングエコノミーは省資源・人口減社会におけるビジネスモデルとして注目されていますが,供給側だけでなく需要側も含めた経済システムの大きな変革であると考えられます。そして,人口減少が顕著であり地域コミュニティの維持が難しくなっている中山間地域などの地方において,地域が抱える課題を解決するツールとしても期待されています。社会的実装への展望本研究成果を活かして,人口減が進み公共サービスの維持が困難となっている山陰の中山間地域の自治体においてシェアリングエコノミーの政策的展開とビジネスモデルの創出が進むことが期待できます。また,実施の過程で生じる課題の抽出とシェアリングエコノミーの持続的な展開が可能になります。さらに,省資源社会におけるビジネスモデルの創出につながる地域ノベーションを加速化し,Society5.0へとつなげることが可能になります。地方におけるシェアリングエコノミー政策の展開と課題に関する研究Sustainable Development of Sharing Economy in Rural Areas Ruby・OSSプロジェクトセンター

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