島根大学お宝研究Vol.13
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3χΔ2π2002541π2π3π2truesin2θ23=0.42trueϕ13=0Normalhierarchytrueϕ14(rad)T2HKKT2HK+OkiT2HKPrecisemesurementofneutrinooscillations,aphenomenonwherethethreetypes(electron-type,muon-type,tau-type)ofnetrinosinterchangetoeachother,iscrucialforunveilingtheoriginofmatterintheuniverse.However,amongtheparamtersofneutrinooscillations,"θ23angle"hasnotbeenmeasuredaccuratelyuntiltoday.Ourprojectcenterhasconductedatheoreticalresearchforaccuratedeterminationofθ23angleinT2HKexperiment,whereneutrinobeamsfromTokaiVillage,IbarakiaremeasuredatHyper-Kamiokandedetector,plannedtobeconstructedatKamioka,Gifu,andinaproposedextensionofT2HKwhereaseconddetectorissituatedatOkiIslands.◉センター長      波場 直之NaoyukiHaba(学術研究院理工学系・総合理工学部担当・教授)図 当センター発表の論文に掲載されている,θ23角の測定精度を様々な実験で比較したグラフの一例Higgs and early universe project center山田 敏史ToshifumiYamada(学術研究院理工学系・戦略的研究推進センター担当・特任助教) 御村 幸宏YukihiroMimura(戦略的研究推進センター・研究員)22研究者紹介概 要電子型,ミュー型,タウ型の三種のニュートリノが時間経過とともに移り変わる「ニュートリノ振動」という現象を精密に測定することは,宇宙の物質の起源を解明する上で重要です。しかし,ニュートリノ振動のパラメータのうち,「θ23角」は今日まで正確に測られてきませんでした。当センターは,茨城県東海村からのニュートリノビームを岐阜県神岡に建設予定の検出器ハイパーカミオカンデで測定するT2HK実験,および,同実験を拡張して隠岐に第2の検出器を設置する構想において,θ23角を正確に決定するための理論研究を行いました。特色・研究成果・今後の展望目に見えず,ほとんどの物質を素通りする素粒子「ニュートリノ」は,一方で,宇宙に存在する様々な物質の起源を解明する手がかりと考えられています。ニュートリノには,電子型,ミュー型,タウ型の三種類があり,ニュートリノの微小質量の効果により,三種が時間経過とともに移り変わる「ニュートリノ振動」という現象を示します。ニュートリノ振動を精密に測定することは,前述の物質の起源解明において重要です。ニュートリノ振動のパラメータのうち,主にミュー型とタウ型の移り変わりを規定する「θ23角」は,未だ十分な精度では測られていません。当センターは,茨城県東海村から発射されたニュートリノビームを岐阜県神岡に建設予定の検出器ハイパーカミオカンデで測定するT2HK実験,および,同実験を拡張して隠岐に第2の検出器を設置し測定を行う実験において,θ23角を正確に決定するための理論研究を行いました。そして,三種に未知の型のニュートリノが混合している場合,隠岐の第2の検出器が,正確なθ23角の決定のために有効であることを明らかにしました。今後,神岡と隠岐の検出器の特性も考慮に入れたより詳しい理論計算を行う予定です。社会的実装への展望本研究により,隠岐に検出器を設置するメリットが認められれば,検出器の技術開発が進みます。特に,隠岐には従来と異なる液体アルゴン検出器を設置する構想があり,これが採用されれば,大量の液体アルゴンを製造し輸送するための技術開発が行われ,それが工業へ応用されます。ニュートリノ振動パラメータの決定Determination of neutrino oscillation parametersヒッグス・初期宇宙プロジェクトセンター

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