島根大学お宝研究Vol.13
30/47

TheTataraNanotechnologyProjectCenterhasalonghistoryofmetallicmaterialscharacterizationatthemicroandnanoscales.ManycentermembersalsoserveontheOrganizationforIndustrialInnovation,Next-GenerationTataraCo-CreationCentre,establishedinNovember2018,wheretheyapplytheirpastexperiencesandachievementstospearheadnewresearchanddevelopmentofnext-generationmetallicmaterials.Thefigureshowsin-situobservationofmetalmeltingat1451℃,byusinganewlyintroducedlaserscanningmicroscope.固体高角度結晶粒界双晶境界液体図 新しく導入したレーザー顕微鏡によるその場観察の例。1451℃で金属の結晶が溶ける様子が観察できる。A.H.Pham博士提供◉センター長      大庭 卓也TakuyaOhba(学術研究院理工学系・総合理工学部担当・教授)(2018年4月現在)※本プロジェクトセンターは2019年3月末をもって設置期間満了により,終了しました。Tatara nanotechnology Project Center※ This center has conclued in March, 2019, the expiration date.26研究者紹介概 要たたらナノテクプロジェクトセンターではミクロ,ナノの尺度で金属材料の評価を行ってきました。本プロジェクトセンターのメンバーの多くは,2018年11月に設置したイノベーション創出機構次世代たたら協創センターの兼任教員として,これまでの経験,実績を活かして次世代金属材料の研究開発を推進します。図は,新たに導入されたレーザー顕微鏡によるその場観察の例です。特色・研究成果・今後の展望金属材料は「鉄器時代」という言葉で表されるように長い歴史を持っています。構造物である鉄製の橋が作られたのは1779年と言われます。エッフェル塔は1889年に作られました。しかしこの頃は,物質は原子でできているという,現代では科学の常識として学ぶようなことは常識ではありませんでした。1895年にX線が見いだされ,1912年にラウエやブラッグ父子がX線の結晶による回折現象を見出し,彼らがノーベル賞を受賞し,大きな変容を遂げました。1970年代頃からは回折現象を利用した電子顕微鏡の利用などによって原子の集まり方を制御すると,より強い,より硬い金属を作ることができることが分かってきました。これらの研究成果が活かされ,同じ鉄塔とはいうものの,東京スカイツリーとエッフェル塔では格段の性質の向上がみられます。島根大学でも金属のミクロ,ナノの材料評価による研究を行っており,発刊済のお宝研究にその関連研究成果を掲載しておりますので,どうぞご参照ください。(Vol.6,Vol.8,Vol.9,Vol.10,Vol.11,Vol.12)。金属材料は高度化するニーズを満たすべく,コンピュータの活用によるモデリングや製法の進化等が求められており,さらなる進化を続けていきます。社会的実装への展望新たに設置されたイノベーション創出機構次世代たたら協創センターでは,世界的な金属材料の権威であるイギリスのオックスフォード大学教授,ロジャー・リード博士をセンター長に迎え,副センター長を同センター担当の荒河一渡教授が務め,本学を中心とした産学官のコンソーシアムを元に,地域産業に貢献する高度人材を育成し,航空機産業,モーター産業の発展を推進していきます。金属材料の材料評価Characterization of Metallic Materialsたたらナノテクプロジェクトセンター

元のページ  ../index.html#30

このブックを見る