島根大学お宝研究Vol.13
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研究表彰●「島根県における1964年東京オリンピック関連事業の展開に関する研究」●「物質中の不均一性を利用した強誘電体材料設計」(レーザー光や放射光を使って強誘電体の相転移を観測–より高性能な物質の開発へ–)オリンピックとメディアとの歴史について長年研究をしてきた中で,オリンピックの体験のあり方には,かなり地域によって違いがあることが気になっていました。東京が開催地となった1964年東京オリンピックの際に地方(特に島根県)でどのような運動やイベントが行われていたかを研究しました。原発性アルドステロン症は,副腎という臓器が過剰にアルドステロンという血圧上昇ホルモンを産生する疾患であり,高血圧症の原因となる重要な病気です。原発性アルドステロン症患者さんの椎体骨折のリスクの検討と,合併症の1つである骨粗鬆症性骨折への考慮の重要性について研究しました。 お宝研究【vol.10 p.37】熱中症を予防する方法のひとつとして暑熱馴化が注目されています。多くの動物では暑熱馴化の形成により体温調節機能が亢進し,熱中症にかかりにくくなることが知られています。私たちは実験動物を用いて暑熱馴化形成の脳内メカニズムを解析し,熱中症予防に応用することを目標に研究しています。氷が温度を上げることで水になるように,物質の温度を変化させると相が変化する「相転移」という現象があります。強誘電体にも相転移があり,強誘電体が持つ便利な性質は,温度が上がると相転移をして無くなってしまいます。光や放射光を用いて原子の位置や原子の動きを知ることで相転移の解明を目指しています。 お宝研究【vol.7 p.9】【vol.10 p.1】【vol.12 p.22】島根大学では,若手の教員の研究を鼓舞し奨励するため,「若手教員に対する支援」制度を設け,学内公募・審査の上,優秀な提案のあった若手教員について,研究費を配分しております。若手研究者表彰は,「若手教員に対する支援」に採択された教員の中でも研究成果が特に顕著であった教員を表彰するものです。平成30年度島根大学若手研究者表彰には、以下の5つの研究テーマが選ばれましたのでご紹介します。33●「原発性アルドステロン症と骨折リスクの関連性についての臨床的検討」(高血圧症の原因である原発性アルドステロン症は椎体骨折のリスク因子である)●「加齢や認知症により暑熱馴化形成機能が減弱するメカニズムの解明と熱中症予防への応用」●「生態系と生物群集をつなぐ微生物群集の役割の理論的解明」浜田 幸絵(学術研究院人文社会科学系 法文学部担当 准教授)野津 雅和(学術研究院医学・看護学系 医学部担当 助教)松崎 健太郎(学術研究院医学・看護学系 医学部担当 講師)塚田 真也(学術研究院教育学系 教育学部担当 准教授)舞木 昭彦(学術研究院農生命科学系 生物資源科学部担当 准教授)微生物たちは,自然の生態系に広く存在するだけでなく,私たちの健康に大きな役割を果たしています。微生物生態系の機能と動態を理解することは,学問的にも人類にとっても非常に重要なテーマです。しかし,そのような複雑な微生物生態系がどのように維持されているかは不明のままです。その微生物群集の動態について分析を行いました。 お宝研究【vol.9 p.32】

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