島根大学お宝研究vol.14
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◉センター長 …………………細田 智久 Tomohisa Hosoda(学術研究院環境システム科学系・総合理工学部担当・教授)◉研究代表者 …………………小林 久高 Hisataka Kobayashi(学術研究院環境システム科学系・総合理工学部担当・准教授)Regional Design Project Center井上  亮 Ryo Inoue(学術研究院環境システム科学系・総合理工学部担当・助教)The number of Japanese housing is 63.67M and it is more than the number of households. And now, it's a big problem how to use vacant houses in rural area. When we repair a traditional house, we have to pay much money. So, we inspect the efficient way of amateur repairs and create new method of house design.空き家の再利用に際してはリフォーム工事を行うのが一般的ですが,特に歴史的な価値をもつ古民家に関しては改修工事に多額の費用が掛かってしまいます。そこで,居住者等の素人(学生等)による自力建設を主体とすることで工事費用をおさえると共に,手作りならではの地域的なデザインを提案します。プロジェクトでは2階部分の改修工事を行っています。美保関という地域に適した利用法やデザインの検討を行い,壁や床の補強に加えて,床仕上げ,土壁の施工を行ったほか,照明の検討,建具の改修,家具の作成を進めています。2019年度に2階部分の改修工事を終了させ,建物の利活用を進めていきます。宿泊施設として利用するほか,地域の住民の方々の交流施設として利用可能な状況となりました。2020年度には,1階土間部分の改修や,建具等のデザイン性の向上を行なっていく予定です。しかしコロナ対策の影響のため,今年度は大幅な作業の遅れが予想されます。可能な限り作業を進め,さらにこの成果を活用することで,空き家となっている地域の伝統建築物を,学生やボランティアなどの協力によって公共的な建物として改修していく手法を確立し,継続的に実施してくことを目指します。25改修前学生による改修後セルフビルドによる魅力的な古民家改修手法の提案Presentation of attractive repair method of traditional houses by self-build研究者紹介概 要日本における総住宅戸数は6,367万戸(2018年)ですが,その約17%の1,078万戸が空き家になっており,住まいが余っているのが現状です。特に島根県などの地方においては空き家が増加しており,それらをいかに利活用していくのかが大きな課題となっています。特色・研究成果・今後の展望美保関町における実在の古民家(大正元年築)を対象とし,継続して作業を行なっています。学生が主体となり,改修案作成,工事計画,施工等の作業を実施し,工務店と大学教員がサポートすることで古民家改修工事を実施します。素人による作業は精度が低く作業時間もかかりますが,効率を重視した時には作ることのできない手の込んだデザインや細工を実現することができます。作業を通した建築知識の習得や地域文化の理解を促しつつ,豊かな地域デザインの創造を目指しています。社会的実装への展望本研究においては,公共的な建物をボランティア等の協力のもとで改修していくことを前提としています。しかし,それらの手法は一般住宅や商業建築にも応用することが可能です。また,学生の提案により新たな改修手法やデザインの方向性が示されることも期待されます。地域デザインプロジェクトセンター

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