島根大学お宝研究vol.14
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Construction of duality theorems for quasiconvex programming problemMathematical programming is a technique that mathematically handles the problem of minimizing costs and maximizing profit under some constraints. It has been applied in many fields such as engineering, economics, and operations research, and various results have been investigated.In this research, we study duality theorems for quasiconvex programming. Some kind of theoretical results, for example, surrogate duality theorem, optimality conditions, and characterizations of the solution set, have been introduced.オペレーションズリサーチなどの多くの分野で応用されており,様々な研究が成されています。本研究では,準凸計画問題に対する双対理論の研究を行っています。いくつかの理論的結果,例えばsurrogate双対定理,最適性条件,解集合の特徴付けといった定理を証明しました。本研究では「準凸計画問題に対する双対理論の構築」と題していくつかの理論的結果を示しました。準凸計画問題とは数理計画問題の一つであり,重要な応用としてミクロ経済学における効用最大化問題があります。消費者が財やサービスを購入する時,どのような行動を取るのかを検討する際にはその問題が準凸計画問題として記述されます。本研究で示したsurrogate双対定理は簡単に言うと問題を解きやすい形に変換する手法であり,最適性条件の研究は零点問題や不動点問題などの別の問題に変換する手法です。変換した問題が必ずしもすぐに解けるとは限りませんが,様々な方向から問題にアプローチすることで解を見つけやすくなります。今後もこのような理論的な研究を継続し,今まで知られていなかった数理計画問題の性質を明らかにしたいと考えています。将来的には効率的なアルゴリズムに関する研究も行っていきたいと考えています。38研究者紹介鈴木  聡 Satoshi Suzuki(学術研究院理工学系・総合理工学部担当・助教)概 要いくつかの制約の元で費用を最小化したり利益を最大化する問題を数学的に扱う手法を数理計画法といいます。工学・経済学・特色・研究成果・今後の展望「一日に必要な栄養素を補う最小の食費は?」,「手持ちの資源を用いて利益を最大にする選択とは?」といった問題を数学的に扱う手法が数理計画法です。高校数学における「二次関数の最大・最小」,「微分して増減表を書き最大・最小を求める」といった問題を一般的にしたものを研究しています。社会的実装への展望実社会での多くの問題が数理計画問題として定式化されるため,すでに線形計画問題や凸計画問題は社会に広く実装され大きな効果を上げています。準凸計画問題の社会実装はまだ簡単ではありませんが,一方で準凸という広い範囲の問題を考えることにより線形・凸計画問題に対する新たな知見を得ることもできると考えています。実際にいくつか興味深い結果も得られており,準凸の視点からの線形・凸計画問題の改善,という形での社会実装を進めることも目標の一つです。数理計画法を用いた問題解決準凸計画問題に対する双対理論の構築

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