島根大学お宝研究vol.14
46/50

坂元一男(図)長井八十一 (図・手) 原稲生 森一雄 大坪実 瀬沢幸男景山浩基 (手) 岸田隆一(習) 福政定男  吉田栄 (習)(体・習)井上善教(図画・絵画)小谷忠芳(図工・絵画工芸) 角守久(工)高橋俊英(工) 細田育宏天野茂時(工作・工芸)昭和101112131415161718192021222324252627282930313233昭和101112131415161718192021222324252627282930313233島根師範学校・島根大学美術教官勤務表18官立島根師範学校 24島根大学教育学部  田原幸三 (図工) 大瀧直平  (図工)山本一男(手)花田定富(手) 上向德章(手)(手)  (手)  (手)(手)金森米三郎(習・書) 山本一男田中正 (書)(習)A Historical Research on the Aspect of Fine Arts in Teacher’s Colleges and Departments: Through an Investigation of Documents “New National University Establishment License Application Note” in National Archives.I studied a process of a systematic foundation of pedagogy of fine arts in teacher’s colleges and departments. The aspect of the teacher of fine arts when a teacher education department in the whole country, was made clear through an investigation of documents “new national university establishment license application note” in National Archives.[特色] 戦後日本の教員養成大学・学部の美術教育学の制度的・人的整備を,美術教育学のインフラ整備として捉え,全国の教員養成大学・学部を悉皆調査した点が特色です。[研究成果]師範学校から新制国立大学教員養成大学・学部への教官移行が難航したなかで,美術関係の教官は多数移行できたことがわかりました。その要因として,1.戦前の美術の最高学府は大学ではなく,東京美術学校や東京高等師範学校等の官立専門学校であり,その卒業生が師範学校美術関係教官の大部分であったこと,2.業績評価対象は論文ではなく,文展・日展・二科展等への入選であったこと,が挙げられます。ただ,旧帝国大学や高等師範学校と統合した,あるいは複数の師範学校が統合して発足した大学では,美術関係教官の移行も難航しました。大学発足当時の美術関係教官は,東京美術学校図画師範科,東京高等師範学校図画手工専修科,地方師範学校(文検合格者)出身者に大別されます。彼らは美術のことなら何でもできました。なかでも東京美術学校図画師範科出身教官は同一大学に長年在職し,その地方の美術や美術教育の中心として活躍した人が多いこともわかりました。[今後の展望]その後,教員養成大学・学部は昭和39年2月の「国立大学の学科及び課程並びに講座及び学科目に関する省令」によって大きく転換します。教官は,教育上の必要として全国統一的に導入された専門領域である「学科目」(美術関係基本学科目:絵画,彫塑,構成,美術理論・美術史,美術科教育)のいずれかに所属することになったのです。今後は各大学の美術関係教官がそれにどのように対応していったのかを解明します。とができます。また新たな美術教員養成制度の構想や地方美術教育史の解明のために堅実な基礎データを提供できます。42本研究をふまえた論文は,2020年に美術科教育学会の学会賞を受けました。研究者紹介有田 洋子 Yoko Arita(学術研究院教育学系・教育学部担当・准教授) 概 要私は継続的に戦後日本の教員養成大学・学部における美術教育学の制度的基盤の成立過程を研究しています。本研究では国立公文書館所蔵の「新制国立大学設置認可申請書」の調査を通して,全国の教員養成大学・学部の出発時の美術教官の人材的様相を明らかにしました。特色・研究成果・今後の展望社会的実装への展望現在,教員養成大学・学部の制度は大きく変化しつつあります。本研究によって戦後の教員養成制度を実証的に振り返るこ教員養成大学・学部美術講座の発足に関する資料的研究―国立公文書館所蔵「新制国立大学設置認可申請書」の調査を通して―

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る