考古学実習Ⅰ

考古学実習Ⅰ

<内容>
 考古学を研究するうえで、最も重要かつ基本的な作業として発掘調査が挙げられます。この発掘調査とその後の資料整理作業に必要な様々な技術を習得し、考古学的なものの見方、考え方を学ぶことを目的とします。具体的には、屋外での発掘調査時に必要な機材(測量器材、カメラ等)の扱い方や、屋内での遺物実測・拓本採取等について実践を通して体得していきます。

 

<体験から学んでほしいこと>
 発掘調査やその後の資料整理作業と関連する「技術」を学んでいくことになりますが、当然最初から上手くできることは多くありません。何度も練習し挑戦することで次第に上達していく過程と喜びを感じてほしいと思います。そして、単純な「技術の修得」という過程だけではなく、「この作業は何のために行っているのか?」、「この機材は何のために使うのか?」といった目的意識を持つ重要性も気付いてもらいたいと考えています。また、それらの作業は一人でできるものではなく、他者との共同作業であることが多いですので、他者との話し合い、協調の大切さに感じてもらえればと思います。


 <この授業の特徴>
 教室で椅子に座って教員の話を聞く時間はほとんどありません。発掘調査で使用する機材を持って、教室の外に出て実際に使ってみます。学生自らの「手と足と目と耳」で発掘調査現場での作業を想像しながら測量の練習や、屋内では実際に遺跡から出土した遺物を実測、写真撮影等の実践を通して必要な技術が体得できるよう指導します。
 

<知識と結びつけるためには>
 
過去の人々が遺した物質資料を基に、過去の歴史・文化を復元しようとするのが考古学という学問です。そのためにはどのように発掘すればより良いデータを得ることができるのか、その理論の理解と実践への予備練習がこの授業になります。ただの単純作業ではなく、目的のある作業と認識して座学で学んだ知識との対比を通して、自らの知識として取り込んでほしいと思います。