植物病理学実験

 

植物病理学実験

<内容>
 目に見えない微生物の多くは分解者として生態系を支えています。一方で,植物に病気を引き起こす植物病原菌は,時として,栽培植物に多大な被害を及ぼします。植物病理学実験では,罹患した植物の病斑上に存在する植物病原菌を光学顕微鏡で観察するとともに,植物病原菌の分離・培養・植物への接種実験,及び,植物病原菌の育成を抑制する農薬検定試験などを通して,植物病理学の理解を深めることを目的としています。

<体験から学んでほしいこと> 
 植物病原菌は一般的に,肉眼で見ることができないため,植物病原菌が自然界でどのように生活しているかを理解するのは困難です。そこで,光学顕微鏡を使って植物病原菌の特徴的な形態を観察し,分離・培養・植物への接種を行うことで,植物病原菌の生活の一端を実感してほしいと思っています。また,植物の病気は「病原体・植物・環境」の3つの要因によって成り立っており,これらの要因をひとつでも小さくできれば,植物の病気を抑制できることを理解してもらいたいと思っています。

<この授業の特徴>
 季節に応じて,身近な場所で発生する植物の病気を現地に行って実際に観察・採集し,実験室では,ひとり1台の光学顕微鏡を使って,じっくり集中して観察することができます。一部の実験は,同時に開講している授業(植物病理学概論)で使用している教科書とリンクしており,実際の実験によって,教科書の理解も深まります。実験後には,スケッチを含めたレポートを作成します。

<知識と結びつけるためには>
 「百聞は一見にしかず」のことわざにあるように,実際に,自分の目で見て体験し,さらに自分で理解したことを他の人に伝えることができるかどうかはとても重要な要素です。授業や実験で学んだ知識は,将来,必要になった時に生かせてこそ,本当の知識と言えるのではないでしょうか?実験のレポート作成は,学んだ知識を他の人に伝える良い機会になると思います。専門的な用語の意味もしっかり理解し,学んだ知識を意識しつつ,実験・レポート作成に取り組んでみましょう。