島根大学のビジョンと戦略

平成28年4月1日

 

島根大学のビジョンと戦略

―地域に活き世界で輝く大学を目指す新たな展開と挑戦―

 

【背景】

 本学の基本理念として島根大学憲章を平成18年(2006年)4月に制定した。そこでは、学術の中心として深く真理を探求し、専門の学芸を教授研究するとともに、教育・研究・医療及び社会貢献を通じて、自然と共生する豊かな社会の発展に努めることとした。とりわけ、世界的視野を持って、平和な国際社会の発展と社会進歩のために奉仕する人材を養成することを使命と定め、以下の実践を掲げた。

1.豊かな人間性と高度な専門性を身につけた、自ら主体的に学ぶ人材の養成

2.特色ある地域課題に立脚した国際的水準の研究推進

3.地域問題の解決に向けた社会貢献活動の推進

4.アジアをはじめとする諸外国との交流の推進

5.学問の自由と人権の尊重、社会の信頼に応える大学運営

 さらに、同年、島根大学憲章に基づき、第2期中期目標期間までの行動指針として「島根大学憲章を推進するためのアクションプラン」を策定した。

 一方、第2期中期目標期間において、国立大学の社会における役割・使命の見直しの観点からすべての国立大学にミッションの再定義が求められ、本学においても各分野(学部)におけるミッションの再定義を行った。

 また、地域にある国立大学「地(知)の拠点」として地域創生に資する期待が増してきている。このような状況を踏まえ、第3期中期目標期間さらには第4期中期目標期間を見据えた将来構想を描きながら、本学の将来ビジョンと行動戦略を示すために「島根大学未来戦略(SMART20)」を策定する。この未来戦略は、島根大学憲章の理念のもと、本学が描く将来のビジョンを達成するための戦略を示すものであり、特に第3期中期目標・中期計画を推進するにあたって目指す方向性を明確にするものである。

 本学は中期目標・中期計画と本戦略に基づく運営の下に教職員・学生が一体となって新たなる局面を切り拓き、国の内外においてその存在感を示す大学を構築する。

 

【ビジョン】

 島根大学は、山陰地域における「知と文化」「医療」の拠点として培ってきた知、伝統と精神を重んじ、大学としての強み、特色、地域との協創を強化し、地域活性の中核としての機能を充実させ地域の創生に貢献すると共に、特定の分野において世界をリードする教育研究拠点として、「地域に根ざし、地域社会から世界に発信する個性輝くオンリーワンの大学」を目指す。また、総合大学としての強みを最大限に発揮し、グローバルな感性と豊かな教養、そして高い専門性を身につけ地域、世界で活躍できる学生を養成することにより、社会の維持・発展に寄与する。

 

【教育】
 

豊かな教養、高度な専門性、グローバルな感性を醸成し、地域や世界で活躍する学生を育成する
 

教育-1 基本ポリシーに基づく学士課程教育による確かな学士力の養成 

(1)豊かな人間性と教養、高度な専門性を身につけさせるため、総合大学としての強みを最大限に生かした一体的で明確なディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーに基づく体系的な学士課程教育を実施する。

(2)全学的な教学マネジメントのもとで教育の質的転換を図り、主体的な学習を促進する。
 

教育-2 地域創生の中核となって活躍できる学生の育成

(1)地域創生の中核として活躍できる資質や様々な課題を解決する能力を向上させるため、地域における課題を多様な方法・視点で検証し、地域と協創して解決するなど地域実践型の教育を推進する。
 

教育-3 グローバルな感性を持ち、広く国際社会で活躍できる学生の育成

(1)外国人留学生、外国人教員や英語による授業科目の増加、ダブルディグリー等の新しい学位制度の設置等、学内のグローバル化を推進し、学位の国際通用性を確保する。

(2)グローバルな感性を涵養し、広く国際社会において活躍できる高度な専門性と応用力、創造力を育成するため、海外派遣留学を推進する。


教育-4 高度な専門性によりグローバル社会に広く貢献する大学院教育の強化

(1)より高い専門的知識・技術と共に、発想力、マネジメント力を備え、イノベーション創出に資する能力を向上させるため、高度な学問的専門性の確保とともに、産業界や自治体等との連携を強化し、専門分野の枠を超えた体系的・組織的な大学院教育を推進する。

 

教育-5 高大接続の強化と入試制度の改革

(1)中国地方5県の高校や教育委員会等との緊密な連携による高大接続事業を実施する。 

(2)入試制度を改革し、入学志願者の能力・意欲・適性を多面的・総合的に評価する育成型入試を開発・実施する。
 

教育-6 入学前から卒業後まで一貫した学生支援の充実 

(1)授業料免除や授業料奨学融資制度等の経済的な修学支援を充実させる。

(2)学内における学生修学・厚生施設を活用し、多様な学生に対する相談体制を整備し、修学を支援する。
(3)キャリア教育の充実を図り、低学年からのインターンシップ等と併せて学生のキャリア形成を支援する。
(4)学生・就職支援体制や同窓会の機能強化を積極的に推進し、在学中のみでなく卒業後まで含めた在学生・同窓生の支援を充実させる。
 

【研究】


多様な研究を推進することで、様々な課題を解決する研究成果を創出し、新たな価値を創造する

研究-1 多様な基盤的・先進的研究の推進による研究力の向上

(1)教員個人の学問的興味・関心に基づいた多様な研究の推進及び研究水準の向上を行い、研究成果を教育に活かすとともに社会に還元する。 

(2)URAの活用等により科学研究費補助金等外部資金の獲得を増加させるなど、研究推進のための財政的基盤を強化する。


研究-2 特色ある研究の重点的推進

(1)特色ある研究を重点的に推進し世界水準の研究成果を挙げ、国内外における拠点となる研究分野を創出する。

 

研究-3 地域社会における課題の解決に資する研究の推進

(1)地域社会における課題の解決に資する研究や産学官連携研究を推進し、地域の創生・発展に貢献する。


研究-4 研究不正に関するコンプライアンスの徹底

(1)「公正な研究遂行のための基本方針」及び「公正な研究遂行のための行動規範」に基づき、研究の健全化を徹底する。
(2)研究費等の適正な管理及び不正防止体制を強化するとともに、学内構成員への研究倫理教育を実施し、公的研究費等の適正な管理・使用を徹底する。
 

【地域・社会貢献】

地域・社会との連携を強化し、「地()」の拠点として地域に貢献する
 

地域・社会貢献-1 地域社会における「知」の中核として地域創生に貢献

 (1)地域社会との連携を強化し、全学をあげて地域志向の教育及び研究の一層の伸展を図り、地域貢献人材の育成や地域の課題解決に資する教育・研究を展開する。

地域・社会貢献-2 社会人学び直し機能の充実による地域・社会貢献の推進

(1)社会人の学び直しを促進するため、社会人にとって学びやすい学修環境を整備するとともに、産学協働によるカリキュラム開発を実施する。

地域・社会貢献-3 地域における医療の中核としての機能の充実

(1)国際的視点を持ち、地域社会の変化にフレキシブルに対応できる医療人を養成して地域医療水準の向上に貢献する。

(2)附属病院においては、先進的医療、高度医療及び臨床研究を推進するとともに、働きやすい職場環境と強固な経営基盤を確立し、島根県の中核病院としての機能を果たす。

地域・社会貢献-4 地域の実践的実験校としての附属学校の機能強化

(1)アクティブ・ラーニングの充実や特別支援教育の充実などの初等中等教育における新たな教育課題に対応するため、附属学校の機能を強化し地域の実践的実験校としての役割を担う。

【大学運営】

学長のリーダーシップのもと、構成員が最大限活躍できる環境の整備と組織改革を行い、持続的発展を目指した大学経営を行う
  

大学運営-1 学長のリーダーシップによる機能的業務運営の推進

(1)学長のリーダーシップのもと、学長補佐体制を強化するとともに、権限と責任が一致した大学運営システムにより、機能的な業務運営を推進する。

(2)IR機能を強化し、教育・研究・財務等に関するデータを集積、分析し、教育や組織・財務の見直し等、エビデンスに基づく大学経営を実施する。

大学運営-2 学内外からの積極的な意見聴取による開かれた大学運営の推進

(1)経営協議会外部委員や外部有識者及び教職員・学生からの意見を積極的に聴取し、開かれた大学経営を推進する。

(2)学長・理事・副学長と学部長・研究科長等による緊密な意見交換により、全学の経営・運営についての意思統一を図り、全学一体となった大学改革を推進する。

(3)監事へのサポート体制の一層の充実を図り、教育研究や社会貢献の状況、大学ガバナンス体制等を含む監査機能を強化し、その結果を業務に適切に反映させる。

大学運営-3 全学における機能強化の観点からの組織改革

(1)社会のニーズや機能強化の観点から、全学の教育・研究組織の見直し、資源の再配分を行う。

大学運営-4 ワークライフバランスの推進とより良い学習・職場環境の構築

(1)ハラスメントがなくすべての学生、教職員にとって快適な明るい学習・職場環境を築く。

(2)男女共同参画を推進するため、女性支援体制を強化するとともに、仕事と家庭の両立支援のための学内環境を整備する。

大学運営-5 ブランディングと戦略的広報によるブランド力向上

(1)地域やステークホルダーを意識した戦略的広報を展開し、ブランド力を向上させる。
 

大学運営-6 経営基盤、経営力の強化

(1)地域社会や同窓会との連携強化による寄付金収入、病院収入の増加により、経営基盤を強化する。 

(2)業務改善、教職員の資質向上のための取組を推進し、経費の抑制を徹底する。

(3)学長のリーダーシップのもと、マネジメント能力を有する大学経営を担う人材の計画的な育成・確保を行う。

 

○島根大学のビジョンと戦略(SMART20)
平成28年9月.pdf(12MB)