法文学部の理念・目的,入学者受入方針,教育内容,卒業後の進路

理念・目的

 21世紀を迎え,社会の急速なグローバル化・情報化・高度化が進展し,国際関係・政治・経済社会・文化の再編が進むと共に,近代的価値観や「知」が問い直されています。

 一方,本学が立地する山陰地方は,早くから大陸との交流が進み,古代出雲文化が発展するなど,古くからの歴史と伝統的文化を有し,豊かな自然環境に恵まれています。しかし,他方では,過疎,中山間地,社会の高齢化などの諸問題が山積しています。

 本学部は,人文科学,社会科学を網羅した山陰地方唯一の文科系総合学部として,こうした地域的特性を踏まえ,現代社会や地域社会が抱える諸課題に対応した先端的研究及び学際的総合的研究を推進します。同時に,現代社会や地域社会が抱えるさまざまな問題を解決することのできる広い教養と基礎的専門知識を身につけ,創造的・実践的能力を有する人材を広く育成すると共に,地域社会との連携を深め,地域のシンクタンク,文化の中心として地域社会に貢献します。

 

  1. 先端的研究及び学際的総合的研究の推進
     高度な研究の推進は,地方の国立大学法人としての重要な研究・教育機能を果たすうえでも,地域の文化の中心としての機能を果たすうえでも不可欠です。
    本学部では,各分野における理論的体系的な研究に基づいた先端的研究を追求すると共に,文科系総合学部としてのメリットを活かしてプロジェクト研究を組織するなど,学際的総合的研究を推進します。
     
  2. 創造的・実践的能力を有する人の育成
     高い倫理観と豊かな教養を身につけると共に,基礎的専門知識を有し,現代社会や地域が抱えるさまざまな問題を探求し,解決することのできる創造的・実践的能力を有する人,地域社会の中核を担いうる人を育成します。こうした目的を達成するために,各専門分野に応じたフィールド・ワークを含む体系的実践的教育を推進すると共に,小規模な地方の国立大学法人としての特性を活かして少人数教育と個別指導を強化するなど,きめ細やかな教育を推進します。
     
  3. 地域社会との連携の強化
     地域社会との連携を深めて地域社会の要請に積極的に応えます。そのためにも,山陰研究センターを中心に地域社会が抱える諸課題を学際的総合的に研究し,その成果を地域社会に還元します。あわせて,公開授業や公開講座などを通じて生涯学習の推進にも貢献します。
     
  4. 国際的に開かれた学部
     国際化が急速に進展する今日,学術・教育の国際協力は欠かせません。特に東アジアにおける国際関係は,今後一層緊密化すると考えられます。こうした状況に対応するために,留学生の受け入れと派遣,学術交流を一層積極的に推進します。

 

法経学科

入学者受入方針

 法経学科は,社会科学の基礎を理解したうえで,法学,経済学を重点的に学ぶことによって,複雑な現代の社会的問題を分析し解決する能力を養うことを目指しています。現代社会の中で,どのような問題もきわめて錯綜した様相を呈しています。こうした複雑な問題を簡単に理解することはできません。安易で単純な理解に基づく行動は問題を錯綜させるばかりで解決には結びつきませんし,また,十分に考えたうえでの行動が予想外の結果をもたらすことも少なくありません。

 法経学科では,高等学校段階の基礎的な学力を十分に身につけ,社会問題に一定の関心を持ち,自ら積極的に考え行動しようとすると同時に,安易な結論にたよらず粘り強く考え続けていくことのできる人,つねに自分の考え方や行動について反省的な視点を持てる人を求めています。

 

入学後の教育

 基礎的な科目と応用的な科目を体系的に履修する積み上げ式履修体系をとり,全学年において少人数演習科目を設けることによって,読む力,書く力,調べる力,そしてコミュニケーション能力を養います。学生の多様な進路を想定し,複数の履修モデルに基づいて,演習担当教員を中心にきめ細かな学習指導を行います。

 

卒業後の進路

 民間企業の法務・金融担当者,司法書士,行政書士等の法律経済関係の専門職・一般職に就くほか,公務員や教員資格を取得して中学・高校の教諭になることができます。また,法科大学院やビジネススクール,研究者養成大学院に進学し,さらに高度な学習を続けてゆく人もいます。

 

社会文化学科

入学者受入方針

 社会文化学科は,総合的視野に立って,社会と地域の現状とその歴史的背景を,理論的・実証的に分析できる能力を備えた人材を養成することを目指しています。

 そこで,高等学校段階の基礎的な学力を十分に身につけ,社会学・地理学・文化人類学・考古学・歴史学などの社会諸科学を学ぶことで,人間と社会に関する様々な問題に対する総合的な探究力・判断力を養おうとする優れた人を求めています。

 

入学後の教育

 社会文化学科の教育には次のような特色があります。

  1. ゼミ,講読及び演習形式による少人数教育
  2. 実験,実習,講読等による体験型授業
  3. パソコン等を使用したデータ分析方法の習得
  4. 学生によって自主的に行われるゼミへの支援


 社会文化学科では入学後に以下の2つのコースに分かれて教育が行われます。コースの所属は,志望と入学後の成績に基づいて決定されます。

  1. 現代社会コース・・社会学,地理学,文化人類学を学びます。
  2. 歴史と考古コース・・日本史,東洋史,西洋史,現代史,考古学を学びます。

 

卒業後の進路

  1. 取得可能な免許・資格に教員免許(中学社会,高校地理歴史・公民・福祉),学芸員資格,社会調査士の資格の受験資格があり,それらを活かして教員や博物館員になったり,あるいは文化財専門職などに就く学生がいます。
  2. 専門知識を活かし地域に貢献する場として,官公庁・地方自治体に就職する学生がいます。
  3. 金融,保険,放送,出版,情報,卸売,小売など一般企業に就職する学生がいます。
  4. 専門知識をさらに深めるために,大学院に進学する学生がいます。

 

言語文化学科

入学者受入方針

 言語文化学科は,人間と社会に対する深く幅広い理解力を備え,国際感覚あふれる教養人として,国際社会に積極的に貢献できる人材の育成を目指しています。

 入学後の学習において基礎となるのは,文章を正確に読解した上で,書かれている内容を論理的に捉え,その結果を的確に表現する力です。したがって,言語文化学科では,高等学校段階の基礎的な学力を十分に身につけて,日本や外国の言語,文学,文化などに大きな関心があり,書物をじっくりと読み,自力で筋道を立てて考えることのできる人を求めています。 

 

入学後の教育

 本学科には,日本言語文化,中国言語文化,英米言語文化,ドイツ言語文化,フランス言語文化,哲学・芸術・文化交流の6つの研究室があり,言葉と文化に関して幅広く学べます。
 日本言語文化研究室では,日本語の仕組みや文学作品について詳しく学びます。
 中国言語文化研究室では,さまざまな時代の中国の言葉や文学に直接ふれながら,背景にある文化や思想を学びます。
 英米言語文化研究室では,イギリスの詩やアメリカの小説などさまざまな作品について学ぶと同時に、英語という言語のいろいろな性質についても研究し,英語によるコミュニケーション能力を高めます。
 ドイツ言語文化研究室では,スイス・ドイツ・オーストリアに至るドイツ言語文化圏の歴史や文化を学びます。
 フランス言語文化研究室では,フランスの文芸作品,フランス語の特性,世界に広がるフランス語圏の文化や社会について広い視野で学びます。
 哲学・芸術・文化交流研究室では,哲学,芸術,文学,映画,音楽などの文化活動や,多様なコミュニケーションのかたちについて研究し,文化を理解するための視点と技術を身につけます。
 2年次からは,学生の興味に応じて所属する研究室を選びます。どの研究室においても,まず基礎・基本(学問の骨格)をふまえて,それぞれの学問に備わる面白さを伝え,そこからさらに,学生自身が主体的に課題を発見し解決する力(課題探求能力)を身につけることを目指しています。学習や研究の成果を他人に向けて的確に伝える能力を伸ばすため,授業の中で発表する機会を設けています。
 なお,留学の支援も積極的に行っており,毎年,中国・アメリカ・ドイツ・フランスの大学間交流協定校を中心に多くの学生が留学しています。

卒業後の進路

 資格を取得して中学・高校の教諭(国語・英語)になったり,公務員として官公庁・地方自治体で活躍しています。また,一般企業では,出版・放送・金融・保険・情報・広告・流通・旅行などの幅広い業種へ就職しています。さらに,専門教育で学んだ知識をより深めるために,島根大学の大学院(人文社会科学研究科),他大学の大学院,外国の大学の大学院へ進む人もいます。