第76回島根大学サイエンスカフェを開催しました

2018年1月18日

 116日(火)、くにびきメッセにおいて第76回島根大学サイエンスカフェを開催しました。今回は、法文学部の宮本恭子教授が「オランダの医療・介護・福祉に学ぼう~いま日本の医療・介護・福祉を変えていくヒントがここにある~」をテーマに講演を行いました。一般市民、企業の方など55名の参加者がありました。
  講演では、北欧に並び高福祉社会として有名な市民参加型社会オランダの取組の紹介がありました。多様性や国民の選択の自由を重んじるオランダでは、国民それぞれが自分らしく幸せに暮らす権利と引き換えに、3552%の高い所得税と21%の消費税を許容して所得を再配分することで、手厚い社会保障と格差縮小を実現しているとの説明がありました。また、GDP比が日本とほぼ同率の社会保障費の支出であるにも関わらず、子供の貧困率がオランダの約2倍であるなど、社会保障費の活用状況についても説明がありました。
  続いて、オランダの介護福祉施設や多様なサービスについて、美しいオランダの風景とサービスを利用する高齢者や工夫された施設の写真を多数取り混ぜて、高齢者を取り巻く医療・介護・福祉制度について紹介がありました。マントのように包み込む「マントルケア」と連携ではなく統合することで効率性に優れ、低コストの「統合ケア」をキーワードに、満足度の高い高齢者サービスを支える秘訣について、関連法令が統合化されていること、多くの専門家がボランティアで福祉に携わる国民風土、看護と介護が一体化した訪問看護サービス等、多様な切り口から説明がありました。
  日本では、地域包括ケアとして地域住民参加型の医療・介護・福祉制度への転換が進んでいます。適正な税負担、限られた資源を有効活用し、満足度の高い社会保障を共に考える上で、非常に興味深い講演となりました。
  講演後の質疑応答では、オランダと日本では人口規模や居住面積の違いがあること、また、ベーシックインカムが導入されていること、そして福祉に対する考え方が異なるなど文化的な差異等、前提条件の違いを踏まえても、日本がオランダに学ぶべきことが多いのではないかとの意見、また、参加した自治体関係者からの取組の紹介と質問などが相次ぎ、盛況のうちにサイエンスカフェを終了しました。
  今年度のサイエンスカフェは、この回をもちまして終了しました。来年度も引き続き実施する予定となっており、開催スケジュールが決定し次第、当ウェブサイトに掲載いたします。引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。

宮本教授の講演の様子
宮本教授の講演の様子
講演を聴講する参加者
講演を聴講する参加者
宮本教授と参加者との質疑応答の様子
宮本教授と参加者との質疑応答の様子

 

 

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