第29回島根大学サイエンスカフェが開催されました

公開日 2010年06月18日

 6月7日(月)、川津公民館において第29回島根大学サイエンスカフェが開催され、約25名が参加しました。島根大学サイエンスカフェは、科学を市民の目線に立って分かりやすく伝え、身近に感じてもらうことを目的とするもので、昨年度からは本学研究功労賞を受賞した研究をテーマに開催しています。 

 今回は総合理工学部の平川正人教授が、「これからのコンピュータはこう変わる」をテーマに講演し、私達の生活のあらゆるところで使われているコンピュータの機能とその技術発展によって提供されているサービスの事例を紹介しました。そして、将来のコンピュータの変化とそれらと私達の付き合い方について話しました。 

 平川教授は、将来のコンピュータの姿形がこれまでのデスクトップやノート型ではなく、人間や動物に似せたアンドロイドや形の見えないもの(インビジブルコンピュータ)になっていくこと、「クラウド」と呼ばれるコンピューティング技術で私達がこれまでは絵を書いたり、字を書いたりするのに専用のソフトウェアをインストールしなければならなかったのが、そうした手間を取られることなく必要な機能がネットワークを経由して利用することが可能になること、更に今後はユーザーインターフェースが重要になってくることを説明しました。

 そしてコンピュータの将来像として、iPad等に見られるタッチパネル、コントローラを使わずにゲームが出来るジェスチャ(身体動作)方式、実世界とコンピュータが作り出す仮想世界とを統合させて知覚させるといった技術、また平川教授自身の研究室で開発した、水槽にはった水に手指をつけて動かすことでコンピュータ操作を行う技術について紹介しました。

 最後に平川教授はコンピュータと私達の世界の関係について、「私達にとって、コンピュータを使うことが目的ではなく、「何をするか」ということの重要性がこれまで以上に鮮明になり、遠い将来には仮想の世界と現実世界が繋がるようになるのではないか」と予測を述べる一方で、コンピュータは万能ではないことも忘れてはいけないと警鐘を鳴らしました。 

 参加者からは,コンピュータがあまり私達の生活に入りすぎるとかえって不都合な面もあると危惧する意見の他,最近の情報関連に関する質問も相次ぎ,会場は和やかな雰囲気でした。

 

  
質疑応答の様子