平成25年度MOTセミナー「顧客ニーズから展開する製造業での新技術開発手法」を開催しました

公開日 2014年03月18日

 中小企業では,大企業などからの下請け型から,企画提案型,あるいは,研究開発型への変革が迫られています。そのためには,自分の仕事は自分で創り出す,また,世の中にない新しい製品やサービスを作り出していくという取り組みが必要となります。製造業において,新しい製品や技術を開発し,競合他社との差別化を行い,また,自社の独自の製品や技術を売り物にしていくためには,そのための心構えや手法,意識改革と覚悟が必要とされており,その一つがMOT(Management of Technology)です。

 そこで,中小企業が自社の経営資源を活かして,独自製品や技術を開発し,事業として進めていくためのコツについてのMOTセミナーを,島根県,松江市,公益財団法人しまね産業振興財団,松江商工会,松江高専および島根大学産学連携センターの主催で開催しました。

 MOTセミナーは,島根県内の関連機関と連携して8年前から「しまね地域MOTセミナー」として開催してきました。これまで,座学だけ,座学+地元企業の事例紹介など工夫を凝らして進めてきましたが,参加者からは,より具体的な内容をと言うご希望が多く寄せられていた為,今年度は,初級編と中級編を2回に分けて実施することとしました。

 

 第1回の初級編(詳しくはこちらをごください)は,平成25年12月19日に,松江商工会議所で行いました。地元の企業の方や新事業の創出を支援する方々など約60名の参加がありました。

 このセミナーでは,MOTの概要や必要性などを講義すると共に,身近な例で理解を深めてもらおうと,地元企業の取り組み事例を紹介していただきました。

 先ず「『社運をかけて開発した新製品・技術がなぜ売れないのか』~「顧客のニーズ」を「技術仕様」に「翻訳する」にはどうすればいいのか?~」と題し,株式会社テクノ・インテグレーション 代表取締役(島根大学産学連携センター 客員教授)の出川 通 氏に講演していただきました。

 続いて,地元企業の2社(松江土建株式会社環境部部長 鍛治正紀 氏,マシン・テクノロジー株式会社 代表取締役 加瀬部 強 氏)から,それぞれの企業で取り組んでいる事例について紹介していただいた後,パネル討論形式で会場との質疑応答を行い,マーケティングの実際,開発を行う上でのポイント,企業同士や大学との連携の苦労など,生の声を伺うことができました。

 

 初級編  初級編

 

 第2回の中級編(詳しくはこちらをご覧くだ)は,平成26年2月27,28日の2日間にわたりテクノアークしまねで行いました。

 このセミナーでは,MOTのマーケティングを中心に座学で解説を行うと共に,自らのテーマについて演習を行い,その結果を参加者間で発表し議論を行うグループ討議を組み合わせて実施し,21名の参加がありました。参加者が熱心に受講すると共に,活発な議論が行われ,会場が熱気に包まれるほどでした。

 自らのテーマで演習やグループ討議を行うことで,MOTやマーケティングについての理解を深められたようです。また,参加者間の交流が活発に行われ,自然に異業種交流へと展開していきました。

中級編  中級編

 島根大学産学連携センターでは,今後もこのようなセミナーを継続し,MOTの普及に務めて行きたいと考えています。また,MOTが活かされ,産学連携を活用して地域での新事業やイノベーションの創出につながって行くことを期待しています。

 

【問合せ先】

 島根大学産学連携センター地域産業共同研究部門(担当:北村)

 E-mailcrcenter@ipc.shimane-u.ac.jp  Tel0852-60-2290