教養育成科目「酒」で酒蔵見学実習を実施しました

公開日 2016年02月09日

 教養育成科目「酒―一杯の酒から覗く学問の世界」は、様々な学問分野から酒にアプローチし、酒という文化を知り、理解を深めるための授業です。開講して早15年余、今年度の受講生もまた、中国文学、フランス文化論、日本近世史、歴史地理学、経済政策、医学、醸造学、そして酒造会社経営など、各専門家による講義を聴講したあと、松江市内の2つの酒造会社のご協力を得て、日本酒醸造の工程を実地見学することができました。
 暖冬から一転、雪まじりの雨が降る1月15日には「豊の秋」醸造元の米田酒造、また29日には「李白」醸造元の李白酒造にお邪魔し、いずれも新酒の仕込みで大変お忙しいなかを、18名の受講生を迎え入れていただきました。
 米田酒造では米田則雄社長(講義でもお世話になりました)、杜氏の上濱智信さん、蔵人の野田将太さん(島根大学の先輩です)、そして李白酒造では田中裕一郎社長に、精米・洗米から蒸米・放冷、製麹、酛作り、醪作り、搾り、そして貯蔵まで懇切丁寧にご説明いただきました。
 講義の内容を具体的に理解できたことはもちろんですが、受講生は酒造りの伝統とそこに日々携わる方々の熱意と努力に触れ、酒の文化の豊かさ、奥深さに心打たれていました。一杯の酒から広がる学問の世界が、受講生一人一人の豊かな人生へとつながっていくように願っています。

 

 

歴史ある酒蔵の麹室で、上濱杜氏から
伝統の技についてご説明いただきました(米田酒造) 

槽(ふね=酒搾りの道具)にはまるで
アコーディオンのようなものもあります(米田酒造)

田中社長に酒の魅力、伝統を受け継ぐ心について
お話をうかがいました(李白) 

仕込みタンクの上でのご説明に
懸命に耳を傾け、メモをとりました(李白)