第92回ミュージアム講座「弥生時代の山陰におけるモノの流通」(まつえ市民大学連携講座)を開催しました。

公開日 2016年10月26日

 10月23日(日)、第92回島根大学ミュージアム市民講座「弥生時代の山陰におけるモノの流通」を開催しました。

 この講座は、平成28年度島根大学ミュージアム市民講座第2ステージ「"古代出雲"の交通ネットワークを探る」(まつえ市民大学連携講座)の第2回になります。

 今回は、会下和宏准教授(島根大学ミュージアム副館長)が講師をつとめ、弥生時代の山陰における石器・玉類・青銅器・鉄器・木器などのモノの流通について解説しました。

 まず玉類の流通では、朝鮮半島の碧玉が西日本各地にもたらされたり、松江市花仙山の碧玉が福岡の遺跡まで運ばれていったことなどの解説がありました。次に青銅・青銅器の流通については、出雲市荒神谷遺跡の青銅器の原料が、中国大陸や朝鮮半島からもたらされていることなどの説明がありました。

 鉄・鉄器の流通については、近年の発掘調査の進展で、弥生時代の鉄器出土遺跡が、特に大山山麓に濃密に分布する状況について解説がありました。これは、九州北部に次ぐ出土量になるとのことでした。

 最後に、こうしたモノの流通の社会的な意義について考察がなされました。国家が成立する以前の社会では、鉄などの流通によって地域同士が結ばれ、それらを運ぶための船や港・市場の管理を首長が行うことで、首長の力が増していったと考えられるとのことでした。

 次回のミュージアム講座「古代の道とゆきかう人々」は、(2017.1.8(日)13001430)になります。ご参加をお待ちしております。

講座の様子

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