「第3回 人間科学研究フォーラム」を開催しました

公開日 2018年10月04日

 人間科学部は、「人間」にかかわる研究を進める他学部、センター等の教員及び地域の自治体・企業・施設等と連携した研究体制を構築することにより、地域で生活する人々がかかえる様々な問題の解決に向けて研究活動の活性化を推進することを目的として、年2回、本フォーラムを開催しており、今回は9月21日(金)に開催し、学内外から54名の方にご参加いただきました。

 

 はじめに、筑波大学体育系の中田由夫准教授から「人を対象とした産学連携研究の実際:アミノ酸混合飲料と運動実践による体脂肪減少効果」と題して基調講演をしていただきました。運動と健康に関する研究の中でも、中田先生は疫学を専門分野としておられます。疫学とは、人間の集団を対象にデータを収集し、何らかの傾向であったり要因を明らかにすることでエビデンス(科学的根拠)の創出を目指すものです。中田先生は、人の健康支援をエビデンスに基づいて行っておられます。エビデンスにもいくつかのレベルがあることや、一番強固なエビデンスを創出するために、ランダム化比較試験をいくつか統合する方法があることなどをご紹介いただいた上で、実際のランダム化比較実験の手順をご紹介いただきました。

 また、実際の産学連携研究の手順を詳細に説明していただき、様々な注意点や苦労した点などもご紹介いただきました。また、臨床研究における「まさか!」の出来事もユーモアたっぷりにご紹介いただき、会場が笑いに包まれる一場面も見られました。

 基調講演後には、実験についてグループ分けの方法や、実験参加者への情報開示をどのようにしたか、また、企業との連携で研究を行うと企業にとって有利な結果のみ採用されたりするのではないかなど、活発な質疑が行われました。

 

 次に、人間科学部の2名の教員による話題の提供が行われました。まず、心理学コースの源健宏准教授が「認知的ストレスと情動的ストレスを統合する前部帯状回の役割-脳活動と皮膚伝導反応からの検討-」と題して、強いストレスの中で社会生活を営んでいる労働者が多く、その人らしく生きることが難しくなっているなかで、前部帯状回がストレスにはたらきかける機能について講演をしました。

 続いて、身体活動・健康科学コースの宮崎亮准教授が「地域に寄り添った身体活動を中心とした健康増進」と題して、これまで各地で取り組んできた高齢者を対象とした運動プログラムなどの健康支援や、島根県隠岐の島町での健康診断などの取り組みについて講演をしました。

 いずれの講演も、講演後の質疑応答では参加者からの質問が相次ぎ、「人間」に関する研究への興味や関心を深めることができる,大変有意義な時間となりました。

 なお、次回の第4回人間科学研究フォーラムは、平成31年2月16日(土)に開催します。

 多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 


基調講演を行う中田准教授


講演を行う源准教授


 


講演を行う宮崎准教授

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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