公開日 2020年07月01日
学生の皆さんへ
令和2年7月1日
島根大学長 服部泰直
新型コロナウイルス感染症は未だに全世界で深刻な影響を与えています。感染防止のために島根大学では通常より一か月遅れて授業を始め、2か月が過ぎようとしていますが、学生の皆さんにはいかがおすごしでしょうか。前期中は原則として全ての授業をオンラインによって実施することとしています。また、課外活動についてもオンラインによる活動のみに制限されている状況が続いています。皆さんが通常の学生生活を送ることができないことを心苦しく思っています。ご不便な生活をされながらも、オンライン授業や様々な行動制限にご協力頂きましてありがとうございます。島根大学では、皆さんの健康と安全を守ること、そして、皆さんの修学機会を確保することを最優先に考え、国や県の方針をもとに独自の行動指針を策定しています。様々な不便をおかけしていますが、感染拡大防止の対策については、皆さんが安全に、そして安心して学べる環境の確保のための措置であることをご理解下さい。また、オンライン授業については、顕在化してきた様々な課題について適切に対応して、有効な教育ツールとして活用できるように改善に努めています。オンライン授業の実施によって、2か月にわたり自宅等における一人での学習が続いており、慣れないオンライン授業を受講するための問題や学習の理解度に対する不安、そして、友人、知人や教員との直接の触れ合いが制限されていることによる精神的ストレスなどを抱えている方もおられるかと思います。何らかに課題や不安等を感じている場合には、早めに指導教員か保健管理センターにご相談下さい。少しでも不安を解消できるように皆さんを支援致します。
この度の感染拡大に伴いまして、アルバイトができなくなったり、また、ご家族の家計が急変したりするなど経済的に困窮している学生が少なからずいることが想定されたことから、大学として4月当初より島根大学支援基金を活用して生活に困っている学生を支援頂くための寄付を募りました。また、学内ボランティアの方々が食料品等の支援の呼びかけを行いました。実際に学生が生活や修学に関して困っている状況が教員有志のアンケート調査でも分かりました。これらの支援の呼びかけに対しまして、地域、保護者、同窓生を始め多くの方々から当初の想定を上回るご支援を頂きました。本学関係者に留まらず、島根県内を中心に一般の方々からも多くのご厚意を頂きました。平時であれば見過ごされがちな多くの方々の島大生への想いを改めて実感しました。ご支援頂いた全ての方々に深く感謝申し上げます。学生の皆さんにはこのように多くの方々が応援して頂いていることを胸に刻み、厳しい状況ではありますが、未来に向けて力強く歩んで頂くよう期待しています。さらに、皆さんへの支援としては、上記の他に授業料の納入期限の延長、緊急特別無利子貸与型奨学金(日本学生支援機構)、国による「学びの継続」のための学生支援緊急支援金(文部科学省)等を実施しています。今回の事態により学業をあきらめる学生が一人も出さないために、皆さんの学びの環境を整えるように取り組んでまいります。
国内の感染状況は一時より落ち着いてきているようにも見えます。この状況を受けて、国や県は一連の行動制限を解除しました。本学も感染防止のための行動制限も徐々に緩和しています。しかし、東京を始め一部の地域では若い方を中心に感染者が毎日確認され、感染拡大の気配もしています。皆さんには、行動制限が緩和されましても、くれぐれも油断することなく、本学のHPで随時更新される「行動指針」や「学生の皆様へ」を確認頂いた上で、これらに記載されている感染防止策に取り組み、自分を守り、友人や家族を守る行動をお願いします。
感染が収束するには1年から2年かかるようにも言われています。しばらくは、コロナウイルス感染の中で活動していくことになります。私たちにできることは、たとえ厳しい環境の中でも最善の努力を続けていくことしかありません。島根大学は、希望を持ち続け、自らの夢の実現に向かって力強く進む皆さんをしっかりサポートしていきます。力を合わせ、共にこの危機を乗り越え、一日も早く再び学生、教職員が集い活気溢れるキャンパスが戻ることを願っています。