【学生取材】中山間地域フィールド演習を受講して~出雲市伊野地区~

公開日 2022年09月15日

 この夏、教養育成科目の集中講義である「中山間地域フィールド演習」が、出雲市の伊野地区で行われました。

 中山間地域とは、山間地およびその周辺の地域、そのほか地理的条件が悪く、農業を行うのに不利な地域のことです。一方で、中山間地域における農業は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割を占めるなど、日本の農業の中で重要な位置を占めています。このように、様々な面で国を支えている中山間地域ですが、その割合は県内ですでに8割を越えており、過疎化や高齢化など、多くの課題を抱えています。

 本講義では、中山間地域でのフィールドワークや地域の人々と共に取り組む活動を通じて、地域の人の想いを知るとともに、地域の特徴や課題を学び、新たな課題解決に挑戦することを目的としています。同時に、中山間地域に対する愛着と、地域の未来を切り拓く自分の考えを持つことも目的としています。

 講義参加者の5人の学生は、8月5日から10日までの6日間、出雲市の伊野地区でフィールドワークを行いました。伊野地区は、全国的にも非常に活発に取り組みを行っている地域であり、近年大きな注目を受けています。期間中、改装した空き家で共同生活を行いながら、フィールドワークに出かけ地域の人と交流を深めました。また、蕎麦の種まきの体験や、漁業体験などを行い、自らの五感を大いに使って、伊野地区の魅力を発見していきました。

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 5日目には、地域の人々の前で、伊野地区の魅力紹介と、5人がそれぞれ、より良い伊野をつくっていくための提案を行う発表会が開かれました。発表会後には、地域の人々との意見交換も行われ、提案した内容が実現に向けて具体的に計画される場面も見受けられました。伊野地区の自治協会長である錦織宏さんは、「発表会やその後の意見交換で、伊野地区の良さや課題を深くまで掘り下げてくれてありがたかったです。様々な視点での提案があり、原点に返ることができました」と感想をお話してくださいました。

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 6日間という短い期間だったものの、参加学生たちの意識も変化したようです。人間科学部2年の橋本初花さんは、「伊野は知れば知るほど好きになる本当に魅力的な地区で、濃い時間を過ごすことができ、様々な体験ができてとても充実した時間でした」と語ってくれました。また、生物資源科学部1年の平田良さんは、「伊野住民の皆さんがとても親切で居心地がよく、個人的にまた訪れたいと思うほど伊野の良さに触れることができました」と語ってくれました。

 本講義で多大な尽力をされた、伊野地区の地域学校運営理事会長である多久和祥司さんは、「フィールドワークの様子から、コミュニケーション力の高さや探求の深さが感じられました。また、最後の提案は、よく練られたもので感心しました。今後は実現に向けて協働できればと思います。」と、この6日間を振り返っておられました。

 講義の担当である、島根大学地域未来協創本部 丸山先生は、「地域の特徴や課題を的確に理解し、自ら掲げた目標に向け、積極的に地域の方と関わっていました。最終日には、今後どのように関わっていくのかを学生自身が考え始めていたのには驚きました」と話し、「もっと多くの方に伊野地区を知って頂きたい、学生の提案を伝えたいと考え、今回行った提案を県議会議員の方の前で発表させて頂く予定です。伊野地区の良さ・学生からみた課題と提案を伝えていく役割を期待します」と、今後の活動展開への期待を話してくださいました。

 

 これからも地域と繋がる学びの場に積極的に参加していきたいと思います。

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(学生広報サポーター 取材・撮影 村田 明日香)