公開日 2022年12月07日
医学部生理学講座の長谷川孝一講師や桑子賢一郎准教授らの研究チームは、発生期の脳内で神経細胞のかたちを正しくつくるために必須のタンパク質群を同定しました。
運動・思考・記憶などのさまざまな脳機能の基盤となっているのは、精巧な脳神経回路ネットワークです。それぞれの神経細胞が発生の設計図にしたがって神経突起を正しくかたちづくり、そして、それらが正しくつながることで神経回路が機能を発揮できるようになります。特に、神経突起の一つである樹状突起は細胞タイプごとに固有のかたちが決められており、その正しいかたちづくりは神経回路の接続や機能にとってきわめて重要となります。しかし、樹状突起のかたちがどのようなしくみでつくられるのかは多くが不明のままとなっています。今回、研究チームは、細胞骨格を組み立てるタンパク質群N-WASP-Arp2/3シグナルが、マウス小脳プルキンエ細胞の特徴的な樹状突起構造を正しくつくるために必須であることを発見しました。本研究は、機能的な脳神経回路を構築するための基礎となる神経突起の“かたちづくり”に関する重要な分子機構を解明しました。本研究成果は、「Development」オンライン版で公開されました。
小脳プルキンエ細胞
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お問合せ
島根大学 医学部 生理学(神経・筋肉生理学)講座
准教授 桑子 賢一郎(くわこ けんいちろう)
TEL : 0853-20-2118(教室事務)
E-mail : kuwako@med.shimane-u.ac.jp
研究室URL : https://kuwako-lab.net