公開日 2023年03月08日
2022年12月上旬、次世代たたら協創センター(NEXTA)では、松江市内の高校生向けに金属などの材料に興味を持ってもらおうと、5日間の金属工学実験を開催しました。参加した松江北高校、松江南高校、松江東高校の1、2年生は4つのグループに分かれ、「金属の強さ」「粉末から光るセラミックスをつくろう」「ジェットエンジンの作動と材料を知ろう」「磁石を作ろう」のそれぞれのテーマに沿って実験を行い、実験の結果や考察をポスターにまとめて発表しました。
松江北高校の生徒5人で構成されたあるグループでは、「金属の強さ」をテーマに実験、考察をしました。このテーマを選んだ理由を聞いたところ「強さは簡単なように思えるが、実際きちんとは知らないから。」とのことでした。また、一番大変だった作業は発表用のポスター作成だったそうです。実際にポスターを見せてもらいましたが、テーマを選んだ理由、結果、考察と上手くまとめられており、物理に疎い私でも分かり易い内容に仕上がっていました。今回の実験を通した感想を聞くと、「進路の選択肢の一つになった。」「自分は文系に進むつもりだが、いい経験になった。」と話してくれました。
また、別のグループでは「粉末から光るセラミックスをつくろう」というテーマで実験を行いました。今回作製したセラミックスは、光エネルギーを蓄え、暗闇の中で長時間残光する性質を持ちます。生徒にテーマを選んだ理由を聞くと「一番おもしろそうだと思ったから。」「個人的にあまり知らない分野だったから。」と教えてくれました。大変だったことは物質の計量とポスター作成で、ごく少量の物質同士を混合しなければいけない場面で、何度もやり直しになってしまったと話してくれました。グループ発表では、ポスターだけでなく実際に作ったセラミックスも展示されており、段ボール箱の中でしっかりと緑色と青色の光を放っていました。
引率で来られていた高校の先生にも少しだけお話を伺うことができました。以前から島根大学と松江市内の高校は、総合的学習の時間や探究学習の時間を使って連携した講座や授業を行っており、今回の講座もその一環だったそうです。高校側としても、普段の授業とは違う、新しい刺激を受けることができるとおっしゃっていました。
私が取材させてもらったのは5日間のうちの最終日で、ポスター作成の仕上げと発表を見させてもらっただけでしたが、期間中どれほど高校生たちが真剣に取り組んでいたかがひしひしと伝わってきました。発表前は教授や大学生に見られるということでとても緊張した表情でしたが、発表が始まってみると堂々としており、投げかけられた質問にもしっかりと答えていました。発表後はみんな達成感に満ちた表情をしており、1日しか関わっていない私も「頑張っていたんだなぁ…」と感慨深いような感情を抱きました。
最後になりましたが、今回取材にご協力いただいた次世代たたら協創センター(NEXTA)の皆様、参加されていた高校の皆様、ありがとうございました。
(学生広報サポーター 取材・嶋駿介、撮影・奥村しょうた)
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