第2回出雲文化学「出雲の弥生時代青銅器」の講演がありました

公開日 2014年04月22日

第2回出雲文化学「出雲の弥生時代青銅器」の講演がありました。

出雲文化学の第2回講義が4月18日、本学ホールで開かれ、講師の松本岩雄・島根県教育庁文化財課専門官が荒神谷遺跡(出雲市斐川町)、加茂岩倉遺跡(雲南市加茂町)から出土した銅剣、銅矛、銅鐸といった「出雲の弥生時代青銅器」について解説しました。

松本専門官は、それまでの考古学界の常識を覆した1984年荒神谷遺跡で出土した358本の銅剣発見者です。講義は市民パスポート会員43人を含む本学学生248人が受講しました。

荒神谷遺跡で発見された銅剣358本という数は、それまで他の全国から出土した数が約300本ということと比べれば実に多いと説明があり、ではなぜ出雲から大量の青銅器が発見されたのか、という興味深い切り口からの講義でした。松本専門官は、考古学界の中でも大きな謎である青銅器の用途について、農耕祭祀に使われた共同体共有のものであったという一般的な説に対して、弥生時代以降に青銅器が見られなくなるのは不思議であると疑問を示し、松江の田和山遺跡を引き合いに出して、共同体ではなく地域の首長のような立場の方が所有しており、集団を結束させたり、外敵や悪霊の侵入を防いだりといった、集落の存亡にかかわる祭祀に用いられていたのではないか、との考察を披露しました。弥生中期から後期にかけて出雲部で社会的に大きな変化があり、出現したリーダーがそれまで信仰されてきた青銅器を埋めることで自分が持っている力を示したのでは、という自説を提示しました。

出雲文化学第3回講義は4月25日、島根古代文化センター専門研究員の平石充氏が「『出雲国風土記』と古代の出雲」と題して講義します。

 

 

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