第9回出雲文化学「城下町松江の発展と人々の生活」の講演がありました

公開日 2014年07月07日

 出雲文化学の第9回講義が6月13日、本学ホールで行われ、松江市史編纂委員の大矢幸雄氏が「城下町松江の発展と人々の暮らし」と題して講義しました。市民パスポート会員35人を含む242人が受講しました。
 大矢氏は、江戸時代における大名の石高のデータを示し、松江の生産力が当時、全国トップレベルだったと説明しました。政治・軍事都市である城下町という観点から、丁字路・鍵型路といった松江の街並みの特徴について解説しました。
 古地図をもとに現在の松江と松江藩施設を比較し、県庁などの公共施設が藩施設があった場所に立っていることや9割が借家であったことなどを述べました。また新屋太助の『大保恵日記』から当時の情緒あふれる庶民生活を読み解きました。
 7代目藩主松平治郷(不昧)の頃には産業が発達し、軍艦や大砲、鉄砲などが松江に入ってきたり、出雲鉄が戊辰戦争の需要のために運ばれたりしたことなどを紹介し、堀や宍道湖岸など埋め立てに際して反対の声が上がることが多く、市民は水資源や環境に対して敏感であって、それぞれ意見を持ち、きちんと発言をしてきたと強調しました。
 最後に大矢氏は、学生時代に松江を訪れた芥川龍之介の『松江印象記』を引用し、松江の歴史の良さに触れてほしいと学生に語りかけ、講演を終えました。

 7月5日(土)には、この「出雲文化学」の課外ツアーとして、城下町松江を主題に、大矢氏の解説を聴講しながら松江を巡るバスツアーが予定されています。
 出雲文化学第10回講義は6月20日、島根県立大学教授の小泉凡氏が「小泉八雲がみた出雲文化」と題して講義します。
 

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