第13回「島根学」過疎地の強み生かした事業展開を

公開日 2015年02月05日

 第13回島根学の講義が1月23日、本学ホールで行われ、有限会社エコカレッジ代表取締役の尾野寛明氏が「過疎と戦うネット書店と無理しない地域づくり」と題して講義しました。市民パスポート会員23人を含む226人が受講しました。
 前半は古書店を立ち上げた理由、何故本社を東京から島根県邑智郡の川本町に移したのか、そして、過疎地の強みを活かせる古書店ビジネスについて説明しました。

 高校3年生のときに父親を亡くした尾野氏は一橋大学の学生である19歳のときに東京で古書店を起業。そして、川本町唯一の書店が撤退した店舗に、地域から要請と歓迎を受けて移転しました。同じく地域の協力を得て、雲南市に流通倉庫を設置。東京から移転して倉庫の借料が100分の1にできたことで、古本を長期間保管するコストが下がり、値下げ競争に参加しなくてもよくなった、と話し、土地代や倉庫の借料が安い中山間地域の強みを生かしたビジネス展開の秘訣を明かしました。
 後半は、尾野氏と関わりがあるNPO法人など複数の団体による地域活性化への取り組みと、その背景となる歴史や現状をふまえた独自の観点を紹介しました。「急に成功するわけはないから、気長に考えて10年ぐらい経験を積んでいけばいい。またどこかでお会いできることを楽しみにしています」と締めくくりました。
 次回の島根学は1月30日、一畑電気鉄道株式会社代表取締役会長の大谷厚郎氏が「島根の交通の歴史について」と題して講義します。

 

 講義をする尾野寛明氏
 講義の様子

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