公開日 2019年09月05日
島根大学総合博物館では、令和元年5月から8月にかけて、松江キャンパス内で、建物建設工事に伴う発掘調査を実施しました。これは、周知の埋蔵文化財包蔵地で開発工事を行う際は、事前に発掘調査を実施し文化財の保護に努めることが、「文化財保護法」において義務付けられているためです。
調査の結果、古墳時代や奈良時代の須恵器や、縄文時代の石器などが出土しました。約5000年以上前の縄文時代前期は、海とつながった今の宍道湖が、松江キャンパスの北まで入り込んだ「縄文海進」の時代でした。発掘調査でも、この時代の入江の堆積層・砂洲層が検出され、海面変動の様相や古環境変遷、そこでの人類活動を復元するうえで貴重なデータを得ることができました。
大変な猛暑・酷暑の中での重労働の調査でしたが、関係者の皆様には多大なご協力をいただき、何とか予定通り終了し、貴重な成果をあげることができました。
【参考ページ】
・遺跡が語る島大キャンパスの歴史
・遺跡のなかの島大キャンパス
・島根大学構内遺跡(島根県遺跡データベース)
調査区遠景
ギラギラの猛暑の中での調査
縄文人が捨てた焦げ目のある材
縄文人が捨てた石のオモリ
関連分野の研究室・センターの協力を得て土壌サンプリング。土の中には、数千年前の珍しいプランクトンや花粉が含まれています。これらを分析することで当時の古環境が復元できます。