大妻女子大学とコラボした医療施設向け食品開発プログラム「農と食と医療」が3年ぶりに行われました

公開日 2023年09月28日

 

 異分野を専門とする2大学の学生がコラボし、医療施設向け食品開発を行い、生活習慣病に対応できる人材育成を目指す専門科目「農と食と医療」が8月29日~9月1日に島根大学生物資源科学部(8/29~31)と大妻女子大学家政学部(9/1)で3年ぶりに実施されました。農産物の生産を専門とする島根大学の学生4名と、食物学を専門とし、管理栄養士を目指している大妻女子大学の学生15名がコラボして、メニューの開発、試作を行いました。今年はコロナ禍の影響で3年ぶりの取り組みになりました。
 島根では、島根ワイナリー、生物資源科学部附属神西農場、アルファー食品(株)、出雲市立出雲給食センターの視察、医学部附属病院人工透析室と栄養治療室(調理室)の視察と講義「慢性腎臓病と食事療法」(医学部・矢野先生)を受けながら、両大学の学生がグループごとに「機能性食材、医療施設向け食品をテーマとした食品開発」についてディスカッションを深めました。また、生物資源科学部附属本庄総合農場では低カリウムメロンの養液栽培やダイズ栽培について実習を行い、食材生産について学び、ブドウの試食を行いました。
 プログラムの最終日には場所を東京の大妻女子大学家政学部に移し、講義「高温高湿度気流の加熱特性」(大妻女子大学・山形先生)、「医療施設での食事」(大妻女子大学・川口先生)、「食べたいけれどたべられない・・・低カリウムメロン(しまね夢メロン)の思い」(島根大学・浅尾先生)を受け、午後からはグループ毎に考案した試作品の発表と試食を行いました。
 今年の課題、テーマは「高齢者のフレイル予防のための簡単、おいしい、手軽なメニュー」です。高齢者のフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)予防のために、運動、社会参加を促し、食事を意識することが大切ですが、昨今の物価高によって食材も高騰し、安価でより良く栄養を摂るメニューが求められています。各グループからは「和風さばねばそうめん」などの提案と試作品が作られ、みんなで試食をしました。大妻女子大学の川口先生からは工夫された点などについて講評がありました。
 参加した学生からは、「会ったこともない人とSNSでメニューを考えていくのは大変でした」、「専門外の学生の方といっしょに取り組むのは大変でしたが、とても新鮮で、良い経験になりました」、「社会に出て様々な立場の人といっしょに働くことになった際に今回の経験が活かせると思います」などの感想がありました。
 今回で4回目となった「農と食と医療」も幕を閉じることになりました。大学時代に他大学、それも他分野の学生といっしょに取り組んだ経験は短期間でしたが、きっと刺激ある経験であったと思います。


  

 島根ワイナリー                    アルファー食品       出雲市給食センター

  

附属病院栄養治療室         附属病院透析室            ブドウの試食(農場)

 

大妻女子大学での発表会                 試食会

参加メンバー

 

お問い合わせ先:
島根大学生物資源科学部
浅尾俊樹
Email: asao@life.shimane-u.ac.jp(送信の際は@を半角にしてください)