ようこそ学長室へ

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 島根大学は、松江キャンパスと出雲キャンパスに医学部を含む自然科学系と人文社会科学系の7学部4研究科がバランスよく配置された、国立の総合大学です。松江キャンパスには、法文学部、教育学部、人間科学部、総合理工学部、生物資源科学部、そして、2023年新設の材料エネルギー学部の6学部と、人間社会科学研究科、教育学研究科、自然科学研究科の3研究科があります。また、出雲キャンパスには医学部と医学系研究科があり、地方の特色ある強みを活かした世界をリードする研究活動や、きめ細かな個別教育などの魅力を、各学部・研究科のホームページで詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。

 

 島根大学は、先進的な教育・研究に加え、日本の夕陽百選のひとつである宍道湖をはじめとする海や山に近い豊かな自然、きれいな水、新鮮でおいしい食べ物など、心身ともに健康で豊かな環境に恵まれています。

 また、松江と出雲には、日本の中でも特別な歴史と文化があります。日本の神話の多くはこの地で生まれ、神々のふるさとと呼ばれています。出雲市には国宝の出雲大社があり、旧暦の10月は日本全国で神無月(かんなづき)と呼ばれますが、出雲だけは全国の神々が集まるとされ、神在月(かみありづき)と呼ばれます。松江市には国宝の松江城があり、城主松平不昧公が奨励した茶の湯や和菓子の文化は、今も息づいています。小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、『怪談』や『神々の国の首都』などの著書で知られ、松江に滞在したのはわずかな期間でしたが、松江と出雲に対する深い理解と愛情は、著書『知られぬ日本の面影』に余すところなく表現されています。大都会の喧騒から離れ、ハーンが愛した、そして今も残る古き良き日本を感じながら落ち着いて勉強に集中できるのは、島根大学で学ぶ大きなメリットです。

 

 現在、世界は深刻な持続可能性の危機に直面しており、人類の活動がその重大な原因のひとつであることが明らかになっています。各国、そして世界全体が困難な状況にある中、SDGs(持続可能な開発目標)を含めて、世界の将来の持続可能性のための解決策を一緒に考えていく必要があります。

 島根大学は、少子高齢化や地球温暖化による災害の増加など、グローバルな課題先進国である日本において、地域課題の先進県である島根県に位置する文理のバランスのとれた国立大学です。留学生との日常的な交流と留学の推進によるキャンパスの国際化を進める一方で、世界とつながる土台として、豊かな文化の残る島根の地域の皆さんとの交流も強化しています。

 

 ぜひ皆さんが島根大学に集い、日本人学生、留学生、教職員、地域の皆さんが共に議論し、学び合い、地域と世界の課題の解決策を見出しながら、健康で文化的で豊かな大学生活を送ることを心から願っています。

 

 令和6年4月

 島根大学長 大谷 浩