第27回サイエンスカフェを開催しました

公開日 2009年09月11日

 

9月3日(木),日本農芸化学会の主催(共催:島根大学)で,第27回サイエンスカフェが松江テルサで開催されました。講師の川向誠教授(生物資源科学部)が,「コエンザイムQ10が美容や老化防止に効くのは何故だろう?」をテーマに,近年サプリメントとして人気が高いコエンザイムQ10の効能とその科学的な背景について話しました。

コエンザイムQ10は,ビタミンとは異なり人体で生成できる物質であり,もともとは心筋賦活剤として使用されていましたが,2001年に食品として認可されました。私たちが生きる上で必要なエネルギーであるATPの生成を助けるほか,ビタミンEよりも強い抗酸化作用があり,心臓や腎臓等に多く含まれますが,体内での生成量は20代をピークに加齢と共に減少するため,不足する量をサプリメントとして補うと老化防止や美容にも効能があります。

川向教授は,こうした効能の背景として,体内の糖質を分解しエネルギーを生み出す電子伝達系という過程において,体外から取り込まれた酸素を使って水を生成する際に行われる電子の受け渡しにコエンザイムQ10が必須の成分であることを挙げ,それが私たちの生命活動にとってなくてはならない物質であることを説明しました。

また,酵母の研究を行う川向教授は,酵母によるコエンザイムQ10生成についての取り組みや,医食同源の観点から遺伝子組み換えによって作られたコエンザイムQ10を含むお米の開発やその課題についても触れました。 

今回は定員を超える60名近くの参加者があり,中には現在コエンザイムQ10を飲んでいるという方もいました。しわに効果はあるのか,摂取する量には個人差があるが,どのくらい飲めばよいかなど,参加者の実生活に沿った質問があり,日頃からの美容や老化防止への関心の強さが窺えました。

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