講演会「ヒッグス粒子と宇宙創成の謎にせまる国際リニアコライダー計画」の開催【5/17】

公開日 2014年04月25日

 島根大学ヒッグス・初期宇宙プロジェクトセンターILC大学連携タスクフォースセミナー講演会を下記のとおり開催いたします。山陰ではなかなか聞けないお話ですので、中高校生、大学生、一般の方まで多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 

                                              記

     日 時:平成26年5月17日(土)14:00~16:00
     場 所:島根大学総合理工学部1号館2階21番講義室
     主 催:島根大学ヒッグス・初期宇宙プロジェクトセンター
         ※入場無料・事前申込み不要

     プログラム:ポスター(790KBytes)
      1.14:00~14:40
        「素粒子物理学って何?ヒッグス粒子って何?」
         講師:波場 直之 教授(島根大学総合理工学研究科)
      2.14:40~15:20
        「LHC(アトラス)実験とヒッグス粒子の発見」
         講師:竹下 徹 教授(信州大学理学部)
      3.15:20~16:00
        「宇宙創成の謎にせまる国際リニアコライダー計画」
         講師:高橋 徹 准教授(広島大学先端物質科学研究科)

 

(講演概要)

 一昨年、欧州原子核研究機構(CERN)で稼働しているLHC加速器実験において,

ヒッグス粒子が発見され新聞やテレビでも大きく報道されました。この発見で、昨年

のノーベル物理学賞は、ヒッグス博士とアングレール博士が受賞しました。ヒッグス

粒子の発見により素粒子の標準模型が完成されたわけですが、ヒッグス粒子の種

類や数などを含めて、質量が生成されるメカニズムは依然として不明のままです。

 

 また、ヒッグス粒子が発見されたLHCは陽子・陽子衝突型加速器で、陽子は複合

粒子のため反応が非常に複雑となり、精密な測定には実は限界があります。さらに、

大きなバックグランド事象のため小頻度の現象を見逃す可能性もあります。そこで、

国際リニアコライダー(ILC)という、日本に全長約30kmの直線状の加速器をつくり、

現在達成しうる最高エネルギーで電子と陽電子の衝突実験をおこなう計画が提案さ

れています。現在、国際協力による研究開発が進められており,加速器の技術設計

書,測定器詳細設計が完成し実現に向けた大きな展開を迎えています。

 

 今回の講演会では、まず、素粒子物理学がどういう学問で、ヒッグス粒子がどうい

うものかを理論物理学者(波場氏)が解説をおこないます。次に、LHC実験とヒッグス

粒子発見の状況について、LHC実験で活躍している素粒子実験物理学者(竹下氏)

に、現場の生の声をお話して頂きます。そして、ILCの物理とその探索を実現するた

めの加速器,測定器の概要,および実現に向けた国内外の状況について、素粒子

実験物理学者(高橋氏)に解説して頂きます。

 

 宇宙初期に迫る高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎、時

間と空間の謎、質量の謎に迫る物理学実験が今まさに日本で計画されているので

す。こうしたエキサイティングな学問の現状を中学・高校の学生から一般の方まで分

かりやすく解説し、興味を持って頂けたらと思います。

 

 ■お問合せ■
  総合理工学研究科教授・波場 直之
  電話番号:0852-32-6395, 0852-32-6402