令和4年3月28日、人間科学体験型ミュージアムZoomでのオンライン講座「みんなはこう考えているだろうなと思って諦めていませんか？：他者の心の誤推測と行動抑制」を開催しました。

　昨年12月に島根大学において対面で実施した内容を少し修正して、村瀬俊樹教授（心理学）が講師を務め、島根県全域から12名の高校生が参加してオンラインで実施しました。

　まず、ウォーミングアップとして、同じものを見ても、経験したことによって見え方が異なることを体験しました。その後、他者の心を誤って推測している状態の1つである「多元的無知」という心のあり方について説明を行い、身近な事柄で多元的無知にあてはまることにはどのようなものがあるかをチャットで挙げてもらいました。続いて、事前調査の結果から、自分たちの友人づきあいの仕方にも多元的無知が生じているのではないかということを、調査データを見ながら考えました。そして、クイズを交えながら、他者の心をどうして誤って推測してしまうのかを考えたり、推測した他者の心に同調したり、他者の心と自分の心の間での葛藤を潜在化させる心の仕組みについて考えてもらいました。

　参加してくれた高校生からは、「心理学って、意外と自分たちが身近に感じることについての研究もするのだと知れてよかった。」、「身の回りの現象にも名前がついていることを新しく知り、自分の体験と重ねながら理解することが出来た。なるほどと感じることが多く、とても良い体験だった。」、「すぐに生かせることばかりで、今までの自分の行動を少し改めてみたいとも思った。とても充実した時間を過ごすことができた。」などの感想が寄せられました。

　人間科学体験型ミュージアムは、令和4年度もさらに多様なプログラムで実施する予定です。