公開日 2022年05月20日
2022年4月28日、第19回日中国際学術セミナーを開催しました。島根大学・寧夏大学国際共同研究所では、共同研究の成果発表および新規研究マッチング等を目的として、日中国際学術セミナーを毎年行っています。第19回目となる今回は、メインテーマを「貧困者支援から全面的な『小康社会』の実現における中日両国の貧困削減成果と持続可能な発展に関する研究」としてオンラインで開催し、日中両国から約60名が参加しました。
まず開幕式では、島根大学の大谷浩副学長と寧夏大学の史金龍副校長より挨拶が行われました。大谷副学長は、本セミナーが両大学の交流を一層深める機会となるとともに両国の持続可能な発展と貧困撲滅のために貢献できるよう、最新の研究成果の報告と活発な議論に対する期待を述べられました。
続いて行われた学術報告では、貧困脱却を取り巻く日中それぞれの状況について、中国側4本、日本側3本、計7本の報告が行われました。中国側の報告では、脱貧困の過程における農村振興政策の役割や、農村振興の一環としての経済林産業や畜産業の取組例が報告されました。一方、日本側の報告では、日本で昨今問題となっている相対的貧困や格差の拡大等の現象について、歴史的経緯と問題の所在、および対策事例の紹介等が報告されました。報告を通して、両国における国情や貧困に対する認識、およびその対策方法の違いが明確となったとともに、経済施策だけではない多様な貧困対策の重要性を再認識することができ、この分野における今後の共同研究に対する示唆に富んだセミナーとなりました。
地球規模での格差拡大が続く中、今後の共同研究を通じた課題解決が期待されます。
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