公開日 2024年07月24日
7月20日(土)、第145回アシカル講座「日本遺産:出雲國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語~(雲南市・安来市・奥出雲町)」を開催しました。この講座は、令和6年度アシカル講座第1ステージ「島根の『日本遺産』を学ぶ」の第2弾になります。
今回は、影山邦人先生(アエラ地域文化デザイン室 代表取締役・鉄の歴史村地域振興事業団 理事)から、雲南市・安来市・奥出雲町にある日本遺産・出雲國たたら風土記について解説いただきました。
島根県に現在も伝わる「たたら製鉄」の技術は、世界に誇る伝統的な製鉄技術です。講座では、最初に、50年程前に記録された「たたら製鉄」の貴重な映像を視聴しました。続いて、雲南市・安来市・奥出雲町のなかに、「たたら製鉄」に関わるどのような構成文化財があるのかについて解説していただきました。
このうち、大正10(1921)年まで操業が行われていた菅谷たたらは、日本で唯一、当時の高殿(製鉄が行われていた建物)が残る大変貴重な場所で、国の有形民俗文化財に指定されています。また、奥出雲町に残る数々の美しい棚田は、たたら製鉄の原材料となる砂鉄を採取する際に行った「鉄穴(かんな)流し」の跡地が水田として再生されたもので、国の重要文化的景観「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」にも選定されています。
受講者の皆様は、アシカル講座を聴講した後、日本遺産にも認定されているこうした「たたら製鉄」のスポットをぜひ訪れてみたいとおっしゃっていました。
次回のアシカル講座は、「日本遺産:日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る~(出雲市)」(8/17)です。ご参加をお待ちしております。
お問合せ先:島根大学総合博物館 TEL:0852-32-6496