公開日 2025年08月26日
8月23日(土)、第154回アシカル講座「出雲に残る戦争の爪痕 ~旧海軍大社基地を中心に」を開催しました。この講座は、令和7年度アシカル講座第1ステージ「戦後80年、戦争の記憶を学び、伝える」の第3弾になります。
今回は、出雲市役所文化財課の三原一将先生をお招きし、出雲市斐川町に残る旧海軍大社基地を中心とした出雲市内の戦争遺跡について解説していただきました。
出雲市内には、敵機襲来を監視する防空監視哨、電波通信所跡、海軍機墜落現場、松ヤニ採取痕など、「戦争の爪痕」が点在しています。なかでも旧海軍大社基地は、アジア太平洋戦争末期の1945(昭和20)年に建設された航空基地で、主滑走路跡、飛行機を格納する掩体、誘導路、物資保管壕、魚雷調整場などが現存しています。現在、出雲市では、2027年度までの予定で、旧海軍大社基地の分布調査、遺構詳細調査、文献記録調査、聞き取り調査などの総合調査を実施しています。
滑走路跡の調査では、滑走路の構造や工事の行程などが詳細に明らかになりました。また、「戦時日誌」「引渡目録」などの公文書、当時の基地建設に従事した人の証言なども収集されてきているようです。
出雲市では、今後の教育プログラムや展示などを通して、こうした調査成果を市民や児童・生徒に還元し、「戦争をしない、始めない」ための平和学習に役立てていきたいと考えておられます。
次回のアシカル講座は、このシリーズの最終回「戦争の歴史を伝える~日本と世界の戦争博物館」【9/6】です。皆様のご参加をお待ちしています。
お問合せ先:島根大学総合博物館 TLE:0852-32-6496