公開日 2025年11月13日
自然科学研究科理工学専攻機械・電気電子工学コースの中尾圭吾さん(レーザ・光ファイバ計測研究室)が、令和7年10月に東京で開催された電子情報通信学会光ファイバ応用技術研究会において、「位置ずれ補正処理を導入した位相雑音補償OFDRによる長距離ひずみ測定 」について発表し、学生ポスター賞が授与されました。
位相雑音補償OFDRは、光ファイバに加わるひずみを長距離にわたりcmレベルの高い位置分解能で計測することを可能とする技術です。中尾さんはこれを使って、大手建設会社と共同で、橋梁などの大型構造物に加わるひずみを分布的に測定する技術を開発しています。
その際、屋外に設置された光ファイバは大きな温度変化を受けることがあり、これにより、例えば1km長の光ファイバの光路長は、10℃の温度変化に対して1cm程度伸縮します。また、光ケーブルの補修工事などにより光ファイバの長さが変化することもあります。そのため、継続的な測定を繰り返し行う場合に、それらが本当に同じ場所を測定しているかは分からない、という問題が生じます。
中尾さんの研究では、光ファイバの内部で生じるレイリー散乱の強度のパターンが場所ごとに固有であることを利用して、長さに変化があった場合でも、元の測定位置を高い精度で特定することを可能にしました。これにより、位相雑音補償OFDRの高い位置精度と測定距離レンジをフルに活用することが可能になりました。

問い合わせ先
総合理工学部
電話:0852-32-6095