生物資源科学部 吉田真明 教授らの共同研究グループは日本近海で得られたコウモリダコの全ゲノム配列を世界で初めて解読しました

公開日 2025年11月20日


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島根大学生物資源科学部の吉田真明教授(附属生物資源教育研究センター)は、ウィーン大学、和歌山工業高等専門学校、東京大学総合博物館、国立遺伝学研究所、情報システム研究機構との共同研究で、日本近海で得られたコウモリダコの全ゲノム配列を解読し、これまでに知られている動物で3番目に大きく、頭足類(イカとタコの仲間)では最大級の約12 Gbp (ギガ塩基対)の巨大ゲノムを持つことを明らかにしました。コウモリダコは中生代に繁栄した古いタコの系統の生き残りで、現在は深海に生息している希少な種類です。現代のイカとタコ類がどのように進化してきたかを調べるミッシングリンクを埋める研究成果です。

詳細はこちら → 報道発表[PDF:661KB]

今回の研究成果は、次の論文として公表されています。
Masa-aki Yoshida, Emese Toth, Koto Kon-Nanjo, Tetsuo Kon, Kazuki Hirota, Atsushi Toyoda, Hidehiro Toh, Hideyuki Miyazawa, Makoto Terauchi, Hideki Noguchi, Davin H.E. Setiamarga, Oleg Simakov (2025) Giant genome of the vampire squid reveals the derived state of modern octopod karyotypes. iScience 28: 113832.
https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.113832

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