生成AI活用FDセミナー第3弾「研究における生成AIの利活用」を開催しました

公開日 2025年12月09日

2025年12月2日、松江キャンパス材料エネルギー学部201講義室において、生成AI活用FDセミナー第3弾(研究)「研究における生成AIの利活用」を開催しました。10月30日に開催された第1弾、11月12日および27日に開催された第2弾に続き、今回は約30名が参加しました。本セミナーには、学長特別補佐(医学研究担当)・医学部特任教授 浦野健氏および生物資源科学部附属生物資源教育研究センター長・教授 吉田真明氏を講師に、大学における生成AIの活用可能性について、主に研究の観点から、具体的な事例と実践的手法が紹介されました。

浦野氏は、Google NotebookLMの特徴として、回答生成に際して根拠リソースを指定できる点を利点として強調しました。これにより、広範なウェブ情報を基盤とする一般的な生成AIと比較して誤答のリスクが低減し、信頼性の高い情報提供が可能になりました。さらに、2025年9月に日本語対応したGoogle NotebookLMは、自然な日本語による音声・動画生成機能を備え、日本語でアナウンサー風の解説や対話形式のコンテンツを作成することが可能になりました。PDF文書を読み込み、NotebookLMによる分析を経て音声・動画を生成する一連のプロセスは、膨大かつ難解な公的文書の読解負担を軽減し、洗練された要約コンテンツを通じて短時間での学習、理解を可能にします。また、ChatGPTとGensparkAIを組み合わせた情報収集フローも提示され、指示に基づく情報収集・整理を自動スケジュール化し、スライド生成に優れたGensparkAIを用いて定期配信する仕組みが、効率的かつ確実な情報収集業務に資することが示されました。

一方、吉田氏は、競争的資金の公募要領を生成AIに読み込ませ、申請書の約七割のテキストを自動で生成し、組み込む手法を紹介しました。生成AIは公募研究における期待事項や研究スタイルの分析を通じて、対話を重ねることで研究構想との接点を抽出し、申請書の骨子と構成案を迅速に形成します。また、表記ゆれや用語の修正は極めて高精度に行われます。さらに、論文ドラフトの作成、説明図の生成、プログラミングの補助やデバッグなど、研究活動全般における生成AIの有用性が具体例とともに紹介されました。加えて、精度向上を目的としたプロンプトとして「現状を70%として100%にして」、論文の誤読防止として「英語で思考して日本語で要約して」、いままでのやり取りをリセットして客観的に評価させるプロンプト「一旦忘れて客観的な評価を」「100点満点で何点?」といった、すぐに活用できそうな実践例の紹介がありました。

本セミナーを通じて、生成AIの活用は単なる業務効率化にとどまらず、研究の質向上や教育コンテンツの高度化に寄与する可能性が示されました。

次回は、12月11日に出雲キャンパスにて「外部資金申請への生成AIの利活用」をテーマに開催予定です。
本学では、今後も生成AIの発展的な活用事例紹介やハンズオンなどのセミナーを継続的に開催してまいります。

講演の様子 参加者の様子  

 

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